2012年06月28日

「タロットワークブック あなたの運命を変える12の方法」メアリーKグリーア著/鏡リュウジ監訳/現代タロット研究会訳


不肖Bangiが翻訳チームに参加、鏡リュウジ氏監訳で訳出されたMary K. Greer "Tarot for your self" 全訳「タロットワークブック あなたの運命を変える12の方法」が朝日新聞出版より刊行されたのでここにお知らせ。

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 本書は80年代以降の欧米タロットシーンに起きたひとつの「革命」の発端となったベストセラーであり、長らく訳出が待ち望まれていた「現代タロットのモダン・クラシック」である。本書以降の欧米「現代タロット」シーンは、いまだ充分に日本の読者に紹介されているとは言い難い。2007年にはジョアン・バニング「ラーニング・ザ・タロット―タロット・マスターになるための18のレッスン」が伊泉龍一氏によって訳出されているが、ともかくもこの2著をもって、日本語圏での欧米最新タロットシーン紹介がいよいよ開始されたといっていいだろう。

 本書「タロットワークブック」において、タロットワークは単に「占い」のツールとしてではなく、ユング心理学、黄金の夜明け/クロウリー経由の西洋秘教伝統、そして70年代カウンターカルチャーからニューエイジへと連なるモダンスピリチュアリティを統合した「自己探求と自己変容」のツールとして位置づけられている。そして読者自身がタロットを手に取り、Q&Aとエクセサイズを体験し、ページに書き込みながら読み進むワークブック形式となっている。

 著者メアリー K.グリーア氏は豊富なタロット関連著作に加え、"Women of the Golden Dawn: Rebels and Priestesses: Maud Gonne, Moina Bergson Mathers, Annie Horniman, Florence Farr" (1996)や、ドナルド・マイケル・クレイグとの共著 "Tarot & Magic"(2002)などの著作があり、イシス友邦団Fellowship of Isisの高等女司祭を務めるなどバリバリ「その筋」の人だ。

 また同時にアロマテラピーやクリスタル、エナジーワークなど現代的スピリチュアルアイテムを柔軟にタロットワークに統合するなど、極めてモダンで女性的なスピ感性を体現する人でもある。そんなグリーア氏の記念碑的ベストセラーとなった本書の面白さと「使える度」はまさに超A級であり、現在も継続する欧米「タロット革命」の熱源足り得るのも納得の1冊。本書の訳出に関われたことはおれ自身大変光栄に思う。

 本書ではベーシックなHow Toに加え、ケルティッククロスのさらなる詳細解析、パーミュテーション(置き換え法)によるスプレッド拡張、生年月日から対応タロットを割当て自身のパーソナリティ解析を深める技法etc. 、タロットリーダーが現場で使える実践的知識、タロットワークを開始する前の「4元素による浄化」のアクティブイマジネーション、「タロットの中に入る」パスワーキングといった西洋近現代魔術から抽出された技法、そしてペンデュラムやクリスタルとタロットの併用、エナジーワーク的身体技法など70年代カリフォルニア文化からニューエイジへの流れを踏む現代スピリチュアリティのエッセンスが見事に統合されている。

 まさにこの1冊で60年代オカルトリバイバル、70年代カリフォルニア〜ネオペイガンムーブメント、80年代から現代に継続するスピリチュアルカルチャーをタロットによって横断する「至高の宝石箱」の読書体験が凝縮されているのだ。

 またタロットの起源に関する学術研究の最新成果も附録として収録されており、タロットリーダー、魔術師/魔女志願者、ヒーラーやモダンスピリチュアリストからアカデミックな書斎派までもを魅了する、奇跡的なまでにワイドレンジで包括的、実践的なテキストブックとなっている。この点からも、タロットを初めて学ぼうとするビギナーにこそ、この1冊から始めることを強くお薦めできる。本書には「あなたにとってタロットとは何であり得るか」という誠実な問いかけと、探求の旅路への最上のナビゲーションが用意されているからだ。

 本書は最初の一歩を踏み出す瞬間にあなたの背中にそっと手を触れ、また長い旅路を常に伴侶として寄り添い続けるだろう。占い師、オカルティスト、魔女っ子、ヒーラー、シャーマン、読書家蒐集家そして恋人達よ、2012年の「タロッティストの夜明け」に刮目せよ!

いやホント。

PS.
訳者あとがきも「現代タロット研究会」を代表して不肖Bangiが超エモいやつを書かせていただいたので、そちらもお楽しみあれ。

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書籍タイトルなどは透明フィルムカバーに印刷してあり、カバーを外すと目にチカチカくるブルーとピンクの「愚者」だけの悩ましげな表紙になります。フィルムカバーをつけてコーヒーもカレーも納豆も無敵にエクセサイズ、はたまたカバーを外して思わせぶりに無言な愚者をお洒落カフェのお伴に。イケてる感じにつくりました。ENJOY!





posted by bangi at 20:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Dommune「DECODING PUNK」

■いまいちばんイケてるストリミーング番組Dommuneに、2012年6月13日長尾謙一郎氏の大傑作サイケデリック陰謀コミック「PUNK」完結を記念して、岡山市のアイソレーションタンク併設心療内科HIKARI CLINIC/COCOON院長・精神科医遠迫憲英氏と共に出演、アイソレーションタンクとか陰謀とかオカルトとか311とかの視点であーだこーだ語るという主旨。キャプチャーが上がってたのでここに報告する。



■このような芸術家の深い源泉から噴出する啓示的作品に、知恵熱的な文脈をこじつけてぐだぐだいうのは極めて無粋な話であり「とにかく読め」くらいしか言うことはないのだが、それでも全国の知恵熱陰謀家のために付言するなら、「PUNK」全4巻はロバート・アントン・ウィルソン「イルミナティ3部作」からKLFへと連なるコスミックトリガーの日本における最新Emergenceであり、膨大なシンクロニシティを内包した「本物の」最新陰謀DROPである。またチェスタトン「木曜日だった男」ガーヴァー「第3等級の姉妹」といった陰謀文学の系譜に連なる最新陰謀文学コミックでもあるのさ!とにかくアフィリンク張っとくからよろしく!



■おれこの番組で初めて長尾さんとお会いする前は「絶対アントンウィルソン&KLFマニアだ」と勝手に思ってたんだけど、会っていろいろ伺ってみるとその辺り「全く知らなかった」とのことで、えマジで!と驚愕。なにがヤバいってDommuneでもちと喋ったけど、アントンウィルソン「イルミナティ3部作」の主要登場人物(イエローサブマリン船長ハグバードセリーンはセドリックのアナグラム、黒人女戦士メイヴィスにイルカのハワード!)が「PUNK」にも登場してるんですよ。彼らELF(エリス解放戦線)のメンバーは今なお識域下ネットワークに暗躍し、ポスト311日本のシャーマン脳に向けて緊急メッセージを発振してるのかもね。ついでに「イルミナティ3部作」とそのDNA解析書「コスミックトリガー」のアフィリンクも張っとくので買えるうちに買っといてよろしく!





■このあたりの「陰謀のエモーション」について、なにげに全部まとめてダイジェストしておいた「映画『ナンバー23』解説」(当ブログ2010/01/13のポスト)はこちらで読めます。http://23youbi.seesaa.net/article/138229267.html

■ついでにDommuneでもご一緒した盟友・遠迫憲英氏と、能勢伊勢雄氏のFM番組「MUSIK SPECTACLE」に出演してなにげに核心ついたこと喋っといたのはこちらから。
omniverse 2009/1/7 http://sun.ap.teacup.com/voidphrenia/573.html

■さらにDommune出演前後のおれの揺れ動く気分ツイートはトゥギャッターにまとめておいたぜ!「PUNKについて」 http://togetter.com/li/321987

■おまけに今回Dommuneのためにおれがウヒョウヒョいいながらまとめた「PUNK完結記念・陰謀とシンクロニシティの年表」は以下に掲載しとく。グーグルのおともに!

「PUNK」完結記念・陰謀とシンクロニシティの年表

1948 出口王仁三郎死去
1951 慶応義塾大学ワグネルソサエティ「ダークダックス」結成
1952 ジャック・パーソンズ死去
1954 ガーフィンケルUCLAに/チューリング青酸カリ入りリンゴで自殺/ハクスリー「知覚の扉」/サイエントロジー協会設立/平沢進 出生/デーブスペクター 出生
1957 ヴィルヘルム・ライヒ死去
1960 ケネディ/ニクソン選挙
1961 リリー「Man and Dolphine」
1962 ケンキージー「郭公の巣」/キューバ危機/マリリンモンロー死去/バタイユ死去
1963 JFケネディ暗殺/ハクスリー死去/フラー「宇宙船地球号」
1964 メアリープランクスターズ/バロウズ「ノヴァ急報」/マクルーハン「メディア論」/ディック「火星のタイムスリップ」
1965 Principia Discordia初版(5部)/ベトナム北爆
1966 文化大革命
1967 チャールズ・マンソン出獄
1968 カスタネダ「ドンファンの教え」/リリー「バイオコンピューターとLSD」/マクルーハン「War and Peace in the Global Village 」
1969 シャロンテート殺害事件/グラディ・マクマートリーOTO再建/ニクソン政権
1970 Principia Discordia4版
1971 リリー「意識の中心」/バロウズ「ワイルドボーイズ」
1972 ニクソン訪中/ウォーターゲート事件/グラント「Magickal Revival」/長尾謙一郎 出生
1974 ニクソン辞任
1975 RAW「Illuminatus! Trilogy」/マッケナ「Invisible Landscape」/ベトナム戦争終結
1976 Apple I発売
1977 文化大革命終結/Cosmic Trigger/アップル設立
1978 シュルギン「幻覚剤の薬学」/キャロル「無の書」/ バロウズ&ガイシン「Third Mind」
1979 スターホーク「聖魔女術」
1980 マーシャル・マクルーハン死去
1981 バロウズ「シティーズオブザレッドナイト」/ディック「ヴァリス」
1982 PKディック死去
1983 RAW「Prometheus Rising」/バックミンスター・フラー死去/「デコーダー」公開/クロウリー「法の書」邦訳
1985 MDMA非合法化/イスラエル・リガルディー死去
1986 ボアダムス結成
1989 神経政治学邦訳/芝浦Goldオープン/坂本弁護士殺害事件
1990 KLF「Chill Out」
1991 ハキム・ベイ「TAZ」/シュルギン「Pihkal」
1992 マッケナ「Archaic Revival」/バロウズ「アプークイズヒア」邦訳 /長尾謙一郎デビュー(20才)
1993 RAW「サイケデリック神秘学」邦訳/いとうせいこう「解体屋外伝」
1994 RAW「コスミックトリガー」邦訳/レーザーアクティブ「メロンブレイン」発売
1995 TSUYOSHI Return to the Source日本でスタート/阪神淡路大震災/オウムサリン事件/OTO SGNオアシス開設
1996 ティモシーリアリー死去/岡本太郎死去
1997 ハキム・ベイ「TAZ」邦訳/バロウズ死去/酒鬼薔薇事件/シュルギン「Tihkal」
1999 「マトリックス」公開/ボアダムス「VISION CREATION NEWSUN」
2000 テレンス・マッケナ死去
2001 アメリカ同時多発テロ/ジョンCリリー死去
2002 月刊23曜日開始/長尾謙一郎(30才)/小池圭一「ウルトラヘブン」
2003 キャロル「無の書」邦訳
2004 ケイオスマジックワールドミーティングin荻窪/ブラウン「ダヴィンチコード」邦訳
2005 CTT
2007 RAW「イルミナティ3部作」邦訳/「ナンバー23」公開/RAW死去/「ダヴィンチコード」公開
2008 長尾謙一郎「ギャラクシー銀座」/アルバートホフマン死去
2009 民主党政権/「アバター」公開/HIKARI CLINIC開設
2010 長尾謙一郎「PUNK」/Summer of Illumination/Dommune開始/「インセプション」公開
2011 ガーフィンケル死去/スティーブ・ジョブズ死去 東日本大震災
2012 長尾謙一郎「PUNK」完結/ブラッドベリ死去/長尾謙一郎(40才)

Nothing is true, everything is permitted.
KAOTAOATOAK and ENJOY!
posted by bangi at 17:55| Comment(0) | 詩と芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする