2008年
■30日
徳島
国内に残り少ないマジものの私娼窟地帯を車で流す。
http://homepage3.nifty.com/wedd/baisyun.html
甘美な絶望。優雅な犠牲。巨大な朦朧。
いのしし肉とうどん。味付けは塩辛いが、ある種の旅情として楽しむ。
■31日
母、弟、妻と4人で病床の父を見舞い、母の思いつきによりその足で鳴門へ。
透明なグラスではなく大きな湯のみのような焼き物に盛られた鳴門金時パフェは
器ひとつでパフェをパフェ以外のなにかに読み替える、微細な頓知の妙に感銘。
鳴門には徳島らしくない洗練と洒落と安堵がある。渦も巻いている。いいところだ。

夜は弟のつくった麻婆豆腐を食す。明らかに失敗。
鶏鍋をつつきつつ、祖谷を目指す算段。祖谷は大雪らしい。
車はあきらめ、汽車で2時間の旅。夜半に到着し、温泉につかり、ホテルが気をきかせたつもりの小さな社への初詣に参加し、お神酒をいただいて、祖谷の歴史読本など読む。
部屋に戻ると、妻が全裸で布団に分け入って来る。
妻による熱気に溢れた口技にはじまり、普段よりも若干じらし目に応戦、いつになくいい案配の突きで果てる。納得のいくものであった。
このあたりは生堅い長文を飽きさせず読ませるための工夫であり、今年は特に意識していきたい。
2009年
■1日
チェックアウトするも大雪。ホテルも特にやる気なく、店も開いていない。
タクシーを手配しかづら橋へ。ただでさえ怖いかづら橋は凍り付いて滑る。怖い。
木登りが得意な妻はひょいひょい渡り、余裕で写真など撮っている。

ある種のイニシエーション儀礼をかづら橋に投影していたおれは、へっぴり腰で蔓にしがみつきながらハハハと力なく笑った。
かづら橋の向こうには平家落人が都を忍びながら琵琶の宴をもったという琵琶の滝へ。
水煙、時折自重で落下する雪。神秘的に美しい一瞬であった。

祖谷そばとあめご塩焼きを食し、幼少時に祖谷を訪れた記憶のサーフェイスを撫でる。
同じ店だったこと、やはり山菜そばを食したがその時のメニュー決定におれ自身は不服だったこと、その時おれは猛烈な便意に耐えていたこと、など。
大歩危遊覧船に乗る。雪は降り続いているが、弟の貸してくれた雪山装備のおかげで難なし。美的体験としての地獄。

さらに徒歩で駅を目指す。道すがら、ラピス大歩危でビバーク。
http://www.yamashiro-info.jp/lapis/
妻は「よくあるニューエイジ風味のファンシーショップでしょ」となめてかかっていたが、これがまたなかなか見応えのある展示であった。石が好きならたまらないだろう。
年末から錬金術とシュタイナー的ハイアラーキー生命圏のことをおぼろに考えていたおれに、ある錬金術的なインスピレーションが閃いたが、大筋忘れた。
幼なじみのGORUGOTHを訪ねる。彼と再会することが、今回の旅の目的のひとつであった。20年ぶりの爆笑の夜。
情報の少なさ(=活動の小規模さ)から一部で半ば伝説化している人物。伝説を有効利用するためにおれも彼についての記述は最小限にとどめるがGORUGOTHというエクリチュールはその衝動においてブラックメタルというよりもハードコアである。ブラックコア、オカルトコア、どう言い繕ってみても不毛、それは純粋な咆哮だ。1年の計は元旦にあり、というわけでGORUGOTHをサイバースペースの獣として再生する予感とプラン。

http://www.metal-archives.com/band.php?id=12042
■2日
再び病院に父を見舞い、香川県金比羅宮へ。
過去に東京で催された金比羅宮至宝展の23番展示は、江戸時代に庶民の憧れだった金比羅詣でがかなわぬ人々が、首輪に賽銭と道中の餌代をもたせた犬を金比羅方面に向かう旅人に託す金比羅狗についての説明であった。いかねばなるまいという想いが遂に実った。とりあえずしなびた温泉宿に寄宿し、はじらう妻と無言の弟とともに家族風呂に沈む。
■3日
金比羅宮は船の神様でもあり、奉納品も巨大なスクリューや太陽発電カヌーなど、宇宙飛行成功祈願絵馬など、テクノロジーと神話の柔らかな界面をなぞるものとなっている。

奥社は天狗になった山伏を祀るバリバリ修験系。ここである神とコンタクトがあったが、いまだコンテクストの全貌は明かされず。
http://www.ffortune.net/symbol/sinwa/sinwa/sin008.htm
石段をさんざん昇り降り、表参道のうどん屋で釜揚げうどんを食すも、納得いかずさらに坂出のうどん屋へ。
釜玉うどんに納得し、おみやげに麺を買い込んで一路岡山へ。
岡山ではVoidphrenia氏、能勢伊勢雄氏とコーヒーをすする。
http://sun.ap.teacup.com/voidphrenia/
http://www.akishino.com/ongaku/nose_i.htm
能勢氏とは昨年末、氏の主宰するFM番組MUSICK SPECTACLEに出演させていただいてからの縁である。
音階のこと、行政とアートのこと、地球の自転そのものを熱源とする金融システムと古代ギリシャの失われた共同体モデルのこと、など。
老いて尚加速するIntelligenceとActivityには脱帽&奮起。混迷の我々世代に尚ある方位を毅然と指し示す、危険なまでに誠実な軍師。来年も面白いことがたくさん起こりそうだ。
最終の新幹線は帰省ラッシュで横浜まで立った。
今年もおれはイケイケだ。ヒャッハー!
各方面今年もどうぞよろしく。
今年もよろしくです☆
GORUGOTHはカセットテープ持ってます。
小島氏のビジュアルやらノルウェーのBURZUMに通じる重々しいメランコリックな感じがたまらない。
何曲かMySpaceで視聴できましたね。
生きる伝説かっちょいい!
というわけでドローンユニットJWAVEの1stリリースはGORUGOTHとのスプリットシングルだからよろしく
〉meg
赤面にやにや
〉von
マニアだねー
暗黒神話?オランダのやつ?未発表たっぷり付でリイシューする、かもよ
優しい食感と透明感がのあるお味が非常に上品でした
いいお正月ですね。
今年もよおしくおねがいします。
"The Final Beast of Blackcore" GORUGOTH マスターコンパイルCD(1994-96 and more) リリース!
from Zero Dimensional Records
http://www.zero-dimensional.com/
そして2011年、新レーベル23rd recordings より遂にGORUGOTH再臨界
http://www.kauntar.com/23rd/