おれはまーいえばウェブ屋だが、映像もとれば音楽もつくる。
どのみちウェブにはそういう要素を避けて通れないのだし、ウェブの良さはすべてを記述Scriptingというレベルで統合できることなのだから、いちいち分業したりしないのだ。いやもちろんそれぞれ職人の手を借りるのだが。画も音も言葉も、ひとつの脳、ひとつの意識のなかで統合的なグランドデザインを達成すること。それがおれの仕事において最も重要としていることだ。
そもそも今回もサイトをつくってて、せっか可愛い女の子DJキャラがでるんだから、やっぱクリックしたらなんか回して欲しいよね、てことで成り行き的につくることに。フリー素材を組み合わせて、という選択肢はそもそもない。どれも話にならんくらいヘコいからだ。
某最前線ミュージシャンの力を借りて打ち込みをいろいろつくる。かなりカッコいい。
客に聴かせる。
「うちはボサノバって決まってるんです」
企画書にディープハウス、ラウンジジャズってちゃんと書いたじゃん、、、デモ聴かせながらハウス、ラウンジの動向とか一緒に話したじゃん、、、
でもめげない。じゃーボッサだぜ!というわけで再び別のフィールドの重鎮の力を借り、スーパーお洒落なボサノバ完成。一晩だ。文句ないっしょ。どうすか?
「んー。これっていわゆるボサノバじゃ、ないですよね」
ん?ごめんちょっとわかんなかった。
かなりな具合でいわゆるボサノバじゃないすか?ロラン・バルトなら「記号のサウダージ」くらいいいそうなボッサだと思うんですが。んー。
もしかして、「うちはボサノバって決まってる」というだけあって、かなりボサノバにはうるさいのかも。なるほど、失礼しました。いや別になめてかかったって訳じゃないんですが、こうどうしても、記号的なアプローチから入りがちなんで。わかりました。サウダージですね!つってももう時間もないし、なんかこう具体的に「この曲!」ての教えてくれれば、同じリズムとコードでつくりますよ。このコンピでいうとどれでしょうかね?
1週間経過。
ん、なんか悩んでる?
メールが届く。
「CD、とってもよかったです」
いやそういうことじゃなくて。
「CD1のような、オーソドックスなボサノバでお願いします」
いやいやいや、あの、トラックナンバーでお題を指定してください。
ふむふむ、なるほど。
わかった。あなた、ボサノバ聴いたことないでしょ。つか興味ないでしょ。
まぁそんなもんだよサラリーマン社会てのは。うん。共感も尊敬もしないけど、わかるよ。立場っていうかね。
よし、おいらつくっちゃうよ。もう意地だよ。重鎮、ひとつお願いします。じゃ、明日8:00から。
あれ?なんか凄い人たちが、、、ほうほう、え!そうなんだ!
そんな人に演ってもらうのもなんか申し訳ない、、、いや、そんなこと言わない。
最高のグルーブを創造しましょう!いつだって、どんな仕事だってそうだ。
最高を目指さない仕事は、そもそも成立しない。
ヤバい。めちゃくちゃカッコいい。上手いとかそういう一線を少し越えた、明らかな「感動」がある。やー意地とはいえ、またやりすぎちゃったなー。じゃま、軽くビールでも。
どうすかお客さん!
「だいぶイメージと近くなりました!けどこのボイスは抜いてください」
。。。
うん、まぁいい。喜んでもらえたみたいだし。
あちらさんは誰がこのサックス吹いてるか知らないし。まさか打ち込みとは思ってないだろうけど。「最近はコンピュータでなんでもできるんだな」なんて思われてたらアレだけど、そんなボンクラなら別に腹もたたない。はい、じゃ仕上げましょう。
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また別の話で、ずっとシリーズで作り続けてきたウェブがあるのだが、毎回毎回(おれからしてみれば)どうでもいいところを直される。あんまり直しが入るんで、気に入ってないのかなー、と思って、次期シーズンは全く新しい企画をもっていったら、
「前と同じにしてください。うまくいってて評価も高いので」
ん?あいやそれは嬉しいんですけど、全然そんな風に評価していただいているようには感じなかったなー、、、はいはい、同じですね。
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おれは考えた。
たぶん、彼らは、「誉める」とか「喜びを表現する」てことが、おれ基準でみるとかなり少ないのだ。
「わお、いいじゃん」「おう、最高!」「イエスイエス、なんでもできるぜ」おれは普段、撮影の現場でもチームでいろいろ作ってる時でも、そんなことをよくいう。率直にそう思うからだが、クリエイターというの、載せておだてて天にも昇るいい気分になった時に、その霊感がひらめく、といういたって当たり前のことを知っているからだ。
おれたちのつくる画、音、ことばは、つまるところターゲット、画面の向こうにいるすべての男女のこころに「いい気分」を生み出すことが目標だ。そして、「いい気分」とは、共感、共鳴のようなかたちでいちばん効率的につたわる。絵描きが、演奏家が、いい気分でつくったものには、いい気分バイブが満ちる。逆もまた然り。だから、プロとしておれは仕事に携わってくれる人たちのマックスの「いい気分」を引き出さなければ、収支がとれないのだ。
おれはこれまで、プロダクションワークの領域で仕事してきたので、やりとりする相手も広告代理店の人たちだった。つまりある程度、そういった「気分」のエンジニアリングに関してスキルを持った、業界人だった。だから、「やーもうちょっとこう、青い感じ」とか「んー、もうちょいトッポい感じでもアリじゃない?」とか、そういう気分言語を駆使したプロフェッショナルな気分デザインの只中にいれた。
しかし今、立場がかわり一般企業の広報担当者と直接対面することになって、わかっちゃいたけどけっこうキツい、あるストレスにさらされている。
彼らは喜怒哀楽を口にしない。否、問題としない。
あまりに「誉める」「喜ぶ」「意見交換する」「思索する」といったことが、彼らの日常にはあまりに少ないようにみえるし、そのせいで彼らの感情、感性のレンジもものすごく狭くなっている。少ししか痛まず、少ししか喜ばない彼ら。
つーか、おれの感情、感覚の起伏が激しいのかも。いや自分的には普通だけど、おもえばおれは23歳からこのかたずっと「一般社会」に参加してこなかったんだから、規格外に成り果てているのはまぁ当然だろう。
ともかく、おれはあるプロ意識、職業倫理として「より美しく、より鮮やかに」をどんな仕事でも追求するし、そこにこそおれのギャラは支払われるのだと常に思っているから、自らの全身全霊をお題に対して開き、凝視し、耳を済ませる。そんなおれの口からこぼれることばは、うわごとのように聞こえるのかもしれない。しかし、そこには確かにある霊感が満ちている。それが画になり音になり、広告となって、商財の売り上げを左右する。
そのようなスタンスで仕事をするとき、そしてそれが長丁場になるとき、いちばん重要なのは「誉めてもらう」ことだ。こうかな、と思ってだしたものが、なにかいいものがあった時、「それ、いい」といって貰いたい。それのどこがどんなふうにいいのか、感じたバイブレーションを反射して欲しい。そして正のフィードバックループ、ヴォルテクスにのって、ある奇跡の瞬間を掴んで、ようやっと任務完了できる。
寝ない、帰らないおれを、しかめ面、杓子定規、疑念と恐怖心で取り囲むことは、おれが消耗すること以前に、それに金を払っているクライアント自身の損失しか生まない。後になってから「あれが気に入ってるんです」とかいわれても、既に消え去ったキラメキはもう戻らない。おれは「奇跡」を商材とするビジネスマンなのだ。試したいなら、まずおまえ自身を開け。無限の光に。
つーかさー
もっと笑おうよ。いい音聴いて、エロエロな気分になって、お洒落して誰彼構わず「っこんちは!」て叫ぼうぜ。そうじゃないと死ぬよ。現におれたち、死にかけじゃん。
なんなのさそのレンジの狭さは。
もう知らん。プン!
PS.
小川くん、森安さん、ほんとにありがとう。
クリエイティブ系の仕事の上がりに、見当違いなケチをつけることでそれを仕事だと思ってる雇われなんて腐るほどいるじゃん(いわゆるリーマンショック)。むしろ典型的。
そのニーズにしれっと応えるか?こうやってグチったりスネたりすんなら、打開策を模索してみては?個人的にはその壮絶な器用貧乏っぷりをもっと違うことに使うことを希望します。俺は結構昔からそう思ってるよ。
なーんてわかったようなことを書いてしまって本当にごめんなさい。ブラカのライブ、誘えばよかったね。最高だったよ。
いまインターFMでもガンガンかかってる。やっぱJWAVEよりインターのほうが面白いね
〉犬やん
そう、その典型的な世界がおれにはストレスなんだよな。楽にはならないね。
おれの理想のスタンスは広告屋つか占い師なんだよな。占い師みたいな広告屋をやりたいけどね
是非とも社長殿に仕事をお願いしたい。
今のところ先立つものがないのが大問題。
buraka昨日ライブでしたね。
apparatも昨日ライブ。
金曜日にやるの反則です。
どっちに行こうかとか迷う以前に、そもそもおじさんは選ばれてない感じで寂しい。
味覚障害と、免疫力の低下と、精力減退と生理不順と、
そんなん心も閉じちゃうわな!
みんなドンだけマゾやねん!!
って話でもあるよなー
自分自身をどんどんゾンビ化させてる現代人ってほんとなんねんこれ?的なw
つーか
これからもどうぞよろしく!!
俺たちがでっかい扉開けないとみんな気づかんのですわ
既にある道しか歩いたことのない人間に解らせようとするならば
既にある道よりも深く、広く、光り輝いてないとにゃー
いくらでもシンクロするから
ガツガツ4704(世直し)していこー☆
こちゃらこそいろいろTHXですわw