2010年08月23日

Summer of Illumination 2010 ”セトの花嫁”


8月14日〜15日にかけて、瀬戸内海に浮かぶ某無人島にてキャンプ&パーティ&儀式。
オーガナイザーのVoidphrenia氏の突発的な思いつきからはじまったこのギャザリングはシンクロニシティの潮目を読みつつ大胆不敵に舵をとりながら、あれよあれよという間に「その瞬間」にフォーカスしていった。

Gnostic Summer Of LoveというVoid氏のインスピレーションをもとに、Summer Of Illuminationという呼称を導きだす。SOL(太陽/Latin)とSOI(汝/Greek)の対。率直で力強く重層的な解釈と無限の変奏が可能な標識記号として、今後永きに渡って響いていくであろう強い名前でありイデアが得られた。いまここのおれたちのシンクロ祭り、SOI 2010のはじまりだ。

渡船に機材一式を積み込んで目指すのは、某無人島。人の介入を拒むような荒々しい雰囲気のビーチだが、清掃&設営が進むにつれて次第に柔らかな居心地の良さに包まれていく。地鎮祭は、島の伝承にちなんだ祝詞の奏上と、去る6月に行った田開き儀式から連なるモチーフとして楽と白玉の奉納。我々の儀式でお馴染みの鐘と、ピレネー山麓で職人が手作りしているというシャンティチャイム、Sor.Vaphomettaのなんだかよくわからない鈴玉(としか表現しようのない、鈴のようになる銀の玉)が、静かな波音と夕日に溶けて、ひとつの静寂、NOW HEREを生成する。



あらためて乾杯し、チルチルに緩いビートとBBQを楽しみつつ、夜の儀式をセットアップ。
団の公式儀礼としては通算6回目となる今回の儀式。儀式のテーマや演出は毎回、連鎖するシンクロニシティを注視しながら直前まで物語と象徴構造を練り上げていくのだが、今回は去る2009年6月に伊豆大島で執り行った公式儀礼にして自身の結婚儀式をベースに拡張展開した、いわばバージョンアップ版をつくってみよう、という明確なイメージがあった。もともとの結婚式が当初、瀬戸内海、淡路島で執り行うことを想定されていたもので、その時点で「蛮儀・セトの花嫁」と題されいたものの、最終的に伊豆大島で執り行ったために、この秀逸な言語遊戯と重層的な象徴の響きを表現しきることがなかった。今回、晴れて「セトの花嫁」を執行するにあたって、儀式はほとんど原型をとどめないまでに拡張されたが、そこにはやはり通底するもの、すなわち荒野、星空、炎による野蛮にして聖なる結婚というイメージが貫かれている。インスピレーションとシンクロニシティによって次第に式次第が発見されていくにつれ、どうもおれはずっと同じ儀式を書き続けているようだ、という感もまた、強まる。

大島結婚式では中央に配置され求心力を持っていた炎が、今回は並列したAlter、神殿とともに3つの相、ドラマの3局面のひとつとして置かれた。それは依然太陽であるが、Alterを介して対置するヴェイルに包まれた神殿とその内奥の星の光と呼応し、相対化された位置づけとなっている。これはSummer Of Love、SOL(太陽)が、星、すなわちSOI(汝)へと昇華・変容していくドラマの場としての、必然的帰結であった。

Alterに置かれ4大元素を象徴するMagickal Weaponsは、ビリヤードキュー、杯、軍刀、ペンタクルであり、大島結婚式での拳銃はキューに、小刀は軍刀に、ドラムはペンタクルへと変更されている。これは運搬の都合もあってのことだが、大きくは儀式中盤から挿入されるジャンベ演奏を意識しての変更であった。DJとジャンベのインプロビゼーションによって高められていくInvocation of Chaosのクライマックスでは、圧倒的な存在感を持つドラム=地のWeapon、聖杯としての花嫁と対峙する強度を、火、風のWeaponにも必要とされた。視覚的にも意味作用的にもより大きな身振りによって空間をダイナミックなテンションへと吊り上げていくことを意図したが、その効果は満足のいくものとなった。

タープとヴェイルによって設えられたカアバ(神殿)には、4柱のGuardian Goddessesを順次Invokeした末にアマテラスへと変容した花嫁が、裸身に丸い鏡を保持して鎮座する。参列者は一人づつヴェイルをくぐり、不可視の太陽=秘密の星の神殿でパンとワインの聖餐を受けるが、この時、女神に包容された自分自身と対面する。荒野に打ち立てられた秘密の天幕で、酩酊と雑婚の幾何学の果てに、大きなI amと小さなI amの神聖結婚Hieros Gamosが理解される。この光景は参列者の深層に強烈に働きかけ、揺さぶるものとして入念に設計された。

Invocation of Chaosに続きカアバの参拝と聖餐が順次執り行われるなか、儀式はダンスフロアへとクロスフェードし、朝日が昇るまで、力尽きるまで、かがり火とダンスが継続された。それが一人一人それぞれの、強烈なNOW HERE感覚として体験されたことを願う。

今回挙式にあたり、MagickianはFra. TBSK、High PriestessはSor.Vaphometta、DeaconsはFra. LI及びFra. 春昴がそれぞれ務めた。彼らの献身なくしてこのNOW HEREの体験は得られなかった。深く感謝する。

以上、かなりの部分をはしょりながらも、それでも以前なら絶対に書かなかっただろう内容をこうして書いてみるのは、率直に時代的なDisclosure気分によるものだ。秘密は明かされている。常に新たな薪がくべられ、秘密の炎は永遠に燃えあがる。本当の秘密とは、あなた自身に内奥にある「それ」であり、その他一切の秘密の意匠はそれにアクセスするための装置に過ぎない。今年生まれたSummer Of Illuminationというこの比類のないギャザリングが、さらなる縁と宴を編み上げていくことを確信しながら、それに相応しい新たな「話法」の探求に一種のお気楽な使命感を感じつつ、

2010年8月、常に新しい都にて 
KAOTAOATOAK

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(後日談や写真など、適当にアップする、かも)
Voidphrenia氏のSOI 2010記事はこちら

posted by bangi at 02:43| Comment(1) | 神秘 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんだかわからない玉は、
ケルティックボールとか、オルゴールボールと呼ばれるみたいよ
http://item.rakuten.co.jp/sabohiro/c/0000000144/
Posted by Vaphoっぺ at 2010年08月23日 12:49
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