2006年10月31日

いまキてる音

Charlie PalmieriのFiesta a la king

Tito Puenteつーいま90くらいだけど現役のニューヨークサルサのパーカッショニストのレコードを昔よく聴いていた。昔の録音はどれも神がかっていてハズレなしだったのだが、なかでもFiesta a la kingという曲は超クールでその後の時代の違う録音など見つけてはゲハーとなってたのだが、Titoの曲のなかではどちらかといえばマイナーな曲らしく、ベスト盤などにも入ってない。てなわけでことあるごとにFiesta a la kingで検索していたらみつけたのが、ピアニストCharlie Palmieriの録音。
ヤバい。ヤバヤバ。マッコイ・ターナーよりヤバいかもなピアニスト。頭おかしくなるくらいスウィンギン。そして突然クール。地球外文明の香りすら感じさせるタイム感。
というわけでおれのなかでラテンといえばTito,Machito,そしてCharlieとなったわけだ。
ギャングとコカインとサルサ、早死と死損ないの祭りにTurn on.


Janis JoplinのLeaving on a jetplane
これほんとにJanisかなーと検索して調べてしまったくらい、可憐なギャル歌唱。
もとはPeter,Paul&maryの曲で、これも原曲のほうを愛聴していた。ちなみに当時のヘビーローテはPPM、スターリン、Tito Puente,Pia colombo、ノイバウテン、Sweet exocistとまったく訳が分からない音の連なりのなか、おれは老人病院でリハビリ助手をやっていた。外来診療が終わり、入院患者を病室に送り届けて食事介助を済ますと、リハ室はちょっとした治外法権で、看護助手さん、リハ助手さんなど「看護婦」でも「理学療法士」でもないマージナルな病院職員たちが思い思いのカセットテープを持ち寄って1曲ごとに争ってお気に入りのチューンをプレイする、文字通り天国に一番近いダンスホール、すべてのあたいごときとあんたごときのために、と化していた。
シャーデーや聖子、フランク永井やイエローサブマリン音頭が悪夢のようにミックスされていくリハビリ室で、どうにも耐えられなくなった時におれが持ち出したのがPPMのLeaving on a jetplane。いい曲だなーと思っていたが、先日Janisが歌ってるのを見つけておれは今が何時代なのかわからなくなってしまった。


Joan BaezのDonna DonnaないしAve Maria

そもそもおれは昔、徳島の民族音楽専門輸入盤屋「スターレコード」で騙されて買ったPia Colomboというシャンソン歌手の「ピア・コロンボ、クルト・ワイルを歌う」というレコードを探していたのだが、どうにもこうにも見つからない。フランスでも全く知られていない人のようで、おそらく日本のシャンソンブームでなんとなく1枚レコードがでてしまった、という人ではないか。そんな彼女のクルト・ワイルは、それはもう名唱、名盤だったのだ。なんであんな名盤が廃盤なのか、どうして誰も持ってないのか、知られてないのか、まったく納得がいかない。まーともかくPia Colombo探しの流れでクルト・ワイルあれこれ、みたいな検索の旅になって、まーなんとなくJoan Baez。もともとうちのレコード棚にあったのだ。おそらく母がコンサートにでもいってきたのだろう。ぜんぜん聴いてない様子のJoan Baezのレコードを、カウンターカルチャーな感じのものはなんでも漁っていた5年生のおれがひっぱりだしてかけてみたら、1曲目がドナドナだったのだ。異常にボーカルがでかいミックスとなってるため、サビ前の盛り上がりがほんとうに恐い。こいつが対抗文化ってやつだぜ。そういう記憶は人生に焼き付き、たびたび古傷のように意識に浮上する。
やっぱドナドナいい。 Joan Baezのが一番いい。お、Ave Mariaじゃん。

ヤバい。ヤバヤバ。
posted by bangi at 00:45| Comment(7) | TrackBack(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
面白いセレクトにグーと唸りました。

老健で聴くPPMのLeaving on a jetplane。
想像しただけでなんか泣けてきた。

shach-oったらリハビリ助手やってたんだね。
なんというか、まったく想像がつかないという本音。
Posted by 719 at 2006年10月31日 12:49
実務経験2年あるからいまから介護福祉士とかなろうかなとか時々思うよ。締め切りキツい時とか。

しかし読み返してみるに、どれもそこはかとなく死の影が。死の対義語は単なる生ではなく、祝とか悦とか、つまりうたっておどりかがやくことではないか、と病院時代に考えましたよ。死ぬ人はだいたい怒ったり笑ったり歌ったりしなくなって、平坦になって、お迎えがきてたから。ころっと自殺しちゃうキッコンの人々は、一言で言えば死と悦のコントラストが浅いのではないか。生の輝度。家庭が祝い事、ハレの場、無礼講を子供に提供できてない、とか。そのコントラストは社会から失われているのだから仕方ない。今日はハロウィンか。「水木しげるのなまはげハロウィン inお台場」いこうかな
Posted by at 2006年10月31日 13:53
近々遊びに行くから聞かせてよ。

「水木しげるのなまはげハロウィン inお台場」ってなんだそりゃ。
Posted by 犬TV at 2006年10月31日 22:06
なまはげハロウィンinお台場
本当にやってるのかと思ったよ。くそ〜!
Posted by ノリ津ペ湖 at 2006年11月01日 02:52
死が実感できない世界で「死ぬな」というメッセージは無効。サルサ聴け。
Posted by at 2006年11月01日 15:13
あら
こんなトコにもいたのね
知らなんだ
では、記念に足跡を

ギャルいJanisは興味あるなあ
今度聴いてみよう

スターリンてミチロー?
あのヒトは今、どうされているのか……
Posted by Raven at 2006年11月02日 05:08
あら
こんなトコにもいたのね
知らなんだ
では、記念に足跡を

ギャルいJanisは興味あるなあ
今度聴いてみよう

スターリンてミチロー?
あのヒトは今、どうされているのか……
Posted by Raven at 2006年11月02日 05:10
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