2008年04月20日

アンドロイド・エモーションとテクノ・ナショナリズム

Void氏、Kiyo氏と爆音でPerfumeを聴きながら話した。
その場でやりとりされた様々なアイデアの断片を公開備忘録として記す。

Perfume-ポリリズム / 2008


Perfume-コンピューターシティ / 2007


クロニックラブ-中谷美紀 / 1999


Ballet Mechanique-坂本龍一 / 1986



「アンドロイド・テクノの誕生」
・マドンナは歯ぎしりしている
・教授はにやりとしている
・リン・ミンメイはソロだったが「らき☆すた」はグループ、もっといえば群衆である。つまり、Perfumeは3人でもまだ少ない。将来登場するアンドロイドテクノユニットは50体〜100体くらいでワンセットになり、シリアルナンバーで識別される。

「聖地の誕生」
・鷲宮神社は真の意味で「聖地」となった。
・今後鷲宮は商業主義的な開発からはむしろ保護されるだろう。その聖地なるがゆえに。
・レイブカルチャーは既存の聖地をトレースするだけで、新たな聖地を生み出せなかった。レイブカルチャーは聖地へのサブジェクト(従属)を超克できず、らき☆すたは聖地をプロジェクト(投企)してしまった。

「サブジェクトからプロジェクトへ」ヴィレム・フルッサー
http://www.amazon.co.jp/dp/4130100769

「日本の女神とテクノ・ナショナリズム」
・「ロリコン」は「萌え」へと昇華し、承認された
・「こどもらしさ」と「聖性」への無意識の衝動は、過去から未来へと貫通するDNAプログラムであり、それを現在最も猛烈に推進しているたんぱく質ハードウェアが日本人の身体である。またプログラムはウィルス的な伝播戦略を持つ。
・初音ミク、Perfumeが我々をしてアストラル存在を承認させた。

・「人間になれないアンドロイドの悲哀」ではすでになく、「アンドロイドになれない人間の悲哀」がリアルな情感としてポエジーの源泉となっている。


完璧な計算でつくられた楽園で
ひとつだけ 嘘じゃない 愛してる

記憶と記憶のあいだ辿って
誰もみたことのない場所へ
夢のなかで描いていた場所へ
ありふれたスピード超えて

もうすぐ変わるよ 世界が
もうすぐ僕らのなにかが 変わるよ

(Perfume-コンピューターシティ(作詞:中田ヤスタカ)より抜粋)

・Perfumeはつまりアンドロイド・サマー・オブ・ラブの到来を告げている

・今勃興しつつあるテクノナショナリズムは、萌えあがる少女神ヒミコをサイバースペースに召喚するだろう。彼女は「聖母」として皇室と神話的血縁関係を持ち、非時間的な母権が承認される。天皇家は情報化・アストラル化され、彼方の王権が復活する。

・そのようなテクノ・シャーマニック・ナショナリズム(TSN)によってトランスする日本(TSN)に、現在地球上のいかなる国家も対抗できない。勿論、様々な勢力がこの芽を摘もうとしたり、また同様のテクノロジーによってパイの取り合いをが繰り広げられるだろう。

・人類より一足お先にアセンションしてしまった日本は、しかしバチカンやイスラム勢力とは対立しない。いずれWHO憲章やバチカンの声明に「情報神性」に対する緩やかな承認が追加され、人類はこの新しい童神を初孫のように愛で、保護するだろう。

・いま、日本人は自身をアストラルでユニバーサルな「わらべ」としてプロジェクトし始めている。それはナショナリズムとユニバーサルデザインの境界を危うく振動しながら、ある段階で歴史・記憶・時間に関する新たなテクネーを実装する。


・再話される日本神話は、「核」によってバージョンアップされている。
つまり、はじまりが核であり、たんぱく質ではなく電子(または素粒子)によって感じ、記憶する民族の誕生。

ダリ「原子分解するマリア」

W.ギブソン「モナリザ・オーヴァードライヴ」

「解体草子 核ヤヒメ」






posted by bangi at 14:06| Comment(10) | TrackBack(1) | 神秘 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント

以下は2ch西洋魔術スレッドに投稿された匿名文書。
この文書も、Perfume以降の視点からバージョンアップされるべきだろう。


萌術
ハイパーフラット空間における魔術的幼形進化

Mogick
Magickal neotenism in hyper flat landscape

Ver.1.4 2005/05/19 
author : Anonymous


古来、和をもって尊しとする日本的精神文化土壌においては、シャーマンの呪力は外敵への攻撃や絶対神への畏怖よりもむしろ、重労働をねぎらい共同体との幸福な合一感を高める友愛意識、ムラ意識の増幅と共有こそを主題とした。
これに、恐れ多い権力者、大君さえも死ぬと子供に帰るという死生観も加わり、あの世とこの世、世俗と権力を橋渡しするヘルメス神の姿態は幼子、童、またその遊び相手といった幼児的意匠をまとい、死者、先祖、神々と現世人は「家族」として、相互的な保護と恩寵の絆で結ばれていた。
古墳の内装などを眺めれば、子供部屋のようなカラフルさ、素朴さ、やわらかさが確かに感じられる。
大陸の影響を受ける以前の埴輪も、呪物というよりも子供を慰める玩具のような楽しさと愛らしさのほうが率直にみてとれる。


アニメ、マンガなどの現代日本の特徴的な文化は、すなわち異界や権力など超越的な領域に、畏怖ではなく愛しさ、慰め、幼児性を投影する古来の感性の自然な発露である。
神を、異界を、自然の諸力を幼児的な愛しさとして表現し、親子の愛情と同質の保護、安らぎという関係性を構築して発展した日本文化は、幼児的なもの、愛らしいもの、小さく繊細なものへの研ぎすまされた感性を持つという点で世界でも希有なものである。


この日本人独特のエロス、それは性愛的エロスとも、形而上的エロスとも、微妙に重なりながらも同一ではない「愛」が、まさに幼児的であり性愛的であり形而上的でもある現代日本のロリコン文化、2次元文化のさなかから生まれた概念である「萌え」のなかに、再生・変奏されていることは論を待たない。
埴輪からドラゴンボール、SONYの極小ウォークマンからハードなロリコン文化まで通底している日本的エロスの、現代的表現が「萌え」なのである。


「萌え」は幼児的エロスの発露、表現である。朦朧とデフォルメ・単純化された「幼児の図像学」こそが萌えの媒体となる。そこではディテールは省略され、線と面による単純直裁な表層が色鮮やかに溢れ出し、内なる幼児性をあやし、慰める。


またこの幼児的表層は同時に、異界とのインターフェイス、形而上的エロスへと展開する。
死者、先祖、その最果てに鎮座する先祖神と交感の場である線と面と色彩の領域、それは現前の表象を飛び越え、ある超越性Transcendenceを内包することとなる。
現代美術の文脈でとり沙汰される「スーパーフラット」を、霊界とのインターフェイス、形而上的空間へと拡張した概念を、ここではとりあえず「ハイパーフラット」と呼ぶことにする。スーパーフラットな表象に、異界、霊性を透かし見て、相互に交感するトポスとして設定することにより、八百万の神々が幼な児の姿形を纏い乱舞するハイパーフラット空間が立ち現れる。


霊界との交感、魔術的・呪術的行為のトリガーとして、日本人は、「畏怖」でも「敵対」でもなく、幼児的・性愛的・形而上的エロスの複合体Complexとしての「萌え」を喚起し、家族的、また近親相姦的な親密さで結びつく。
この呪術的感性によって、縄文の昔から現代まで綿々と面なる日本文化が形成されているのである。


退行ではなく進化としての幼児化、ネオテニー(幼形成熟)は、萌術の熱源でありまた目的でもある。
ネオテニックな進化への欲望・意志が保証する進化論的遠心力から逸脱し、 幼児的・性愛的・形而上的エロスが統合性を失ってアンバランスに漏出する不安定な状態は、消費それ自体を目的化してしまったヲタク文化のネガティブな諸相として現れる。 萌術は、このような袋小路からの脱出を目論むネオテニック進化論であり、古代から未来へと貫通する日本精神文化の精髄の、魔術的ルネサンスである。


すなわち、萌術とはネオテニーの魔術に他ならない。


(本稿はインターネット上の日本語掲示板「魔術結社GIKO@2ch.net」に匿名で投稿された。匿名筆者は本稿に関する基本的著作権を放棄し、文章が改変されない限りにおいて本稿のあらゆるメディアへの転載/配布を無制限に許可する。)
Posted by bva at 2008年04月20日 15:48
そして児童ポルノ単純所持禁止法案など一連の動向は、極東に勃発するTSNの危険な予感に突き動かされる欧米ヘゲモニーからの牽制、とも読めるのである。 おれは児童ポルノにはなんらかの法的なスタンスを確定するべきと考える。そうしてTSNは児童ポルノとの無理心中を回避するべきなのだ。
Posted by bva at 2008年04月20日 16:25
鷲宮神社
十代の頃によく神楽を観にいったなあ

幼女が舞うんだよねあそこのお神楽
奇麗だった
Posted by Raven at 2008年04月20日 18:15
ネオテニーの魔術は確か『巨獣帝国』で十和田龍之介が書いていたような?
Posted by Father U at 2008年04月20日 20:01
>Raven

マジですか

>Father U
巨獣帝国、十和田龍之介、どちらもGoogleで捜せないところに凄みを感じました。今後ともなにとぞひとつ
Posted by bva at 2008年04月20日 22:25
そうか、アンドロイド・テクノはBallet Mechaniqueで既に予感されていたのか。

perfumeが自身をテクノポップユニットと呼ぶのも、データ上にオリジンの痕跡を残すためなんだね。

Posted by voidphrenia at 2008年04月20日 22:58
そう
第八座 祓除清浄杓大麻之段
http://www.washinomiyajinja.or.jp/kagura/kagura.html#title

めんこい女童がね
舞うの
Posted by Raven at 2008年04月21日 11:21
perfume
不覚にして(なんて本当は思ってないけど)聴いたことなかったけど、当たり前に来るべきものが来た感じがする。
日本の当たり前は世界の非常識(今のところ)。てのをたまにはプラスの意味で。
Posted by C.S. at 2008年04月22日 02:55
むかしむかしのいまここに
みえないひめさまおじゃったと
ひめさまひかりかがやいて
みなはたまらずうれしなき
みえないひめさまかがやいて
みなもみえなくなったとさ

「核ヤヒメ」

Princess NU
Posted by bva at 2008年04月22日 22:27
なんか
「まみむめも」が
心地よいね
Posted by Raven at 2008年04月23日 11:18
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