2012年08月01日

お蔵出し原稿シリーズ:「変なおじさんの追儺儀式」BANISHING RITUAL OF THE STRANGE UNCLE

FAOKAOs
HARDKAO SORCERY

2-1
BANISHING RITUAL OF THE STRANGE UNCLE

Sorceress:
COME NO ORGY SUN HEMP NONE DEATH! *1

Kaoist:
NONE DAD KIM ME WAR!

Sorcerer:
NONE DAD CHIM ME WAR!

Kaoist:
NONE DAD KIM ME WAR!

Sorcerer:
NONE DAD CHIM ME WAR TW0 TAR? (Repeat 2 or 3 TIMES) *2
SO DEATH,WHAT I SEE GOT HEMP NO ORGY SUN DEATH!

All :
HEMP NO ORGY SUN! HEMP NO ORGY SUN! *3

Sorcerer:
(HEMP NO ORGY SUN...HEMP NO ORGY SUN...) *4
(Quietness) *5
Sorcerer:

DAD PHONE DAD! *6

*1 and point sorcerer.
*2 Like echos in a long cave,repeat lower and lower and finally disappear.
*3 This sentense has particular melody.Reffer "HAISAI OJISAN" by Shokichi Kina,Okinawan musician,or sing any rythmical melody as you like.And this has also particular movement such as:

1."HEMP NONE" ("ORGY" ):Clap hands 2 times in front.
2."SUN!": Left palm in front of left eye,Right hand is straightened to the front with apply palm to the front too.
3."HEMP NONE" ("ORGY" ):Clap hands 2 times in front again.
4. "SUN!":Then reverse of 2. Right palm in front of right eye,Left hand and palm are straightened to the front.
*4 Repeat and disappear.Sorcerer should do particular movement such as:

1.Set both left and right hand parallel in front,bent elbows,clench fists,and roll them as drawing circle around same center.It's like "Elbow walking" or "String winder" .

*5 This Quietness is very important to ready for the following CRY and STORM!
*6 CRY in the highest tention,then every one get start spinning and fall down to the ground,or just fall down quickly.(see TECHNICAL NOTE)

TECHNICAL NOTE

This ritual requires 3 actors,Sorceress,Sorcerer and Kaoist.But only 1 Kaoist can acts with visualising other 2. In this case,the last declaration of closing ritual "DAD PHONE DAD!" must be cried by Kaoist himself.

3 stand forming triangle. (or visualise so.) If you visualise the entity you want to banish,it should be set on center of triangle. in the case of banishing a room or any place (ex.temple), act ritual in center of the room.If you want,Kaosphere or other symbol can be visualised above center of triangle.

Sorcerer wears visualised image of "Strange uncle" like as GOD-FORM of GD technics.In synbolic structure of ritual,he is a stranger,also a passenger that no one can expect his behavior,brings chaos in to the order of significance,and disappear in the KAOSTORM then take existing serious meanings away with him.

All the sentenses should not be pronunced too slowly (like vibrating of God's name in LBRP).Each terms have no meaning,only have sounds and rythme as effective elements.so they should be pronunced as normal speach or little faster to be more rythmical.

The core of this ritual is the last declaretion "DAD PHONE DAD!" and "KAOSTORM" the declaretion brings in.Imagine KAOSTORM as sudden collapse of "Consensus reality" or disorder of any kind of meaning,significance,context and belief.The wild storm of unchained meanings solves and washes out the twisted significance and nothing left after.This proccess is expressed in acter's behavior such as confused and conflicted spin (like "sufi dance" but more wild and disorderd)and get fall down to the ground quickly,then keep perfect quietness both inner/outer mind and body.Feeling sufficient tranquility for a while.

APPENDIX

The sentenses of ritual are picked up from Japanese and exchanged to English terms which have simmiler pronunciations without meaning.here is the important notice that only Kaoist should understand the original meanings of each sentenses if he want,but Sorceress and sorcerer should not.these sentenses are metamorphosed to "Barbarous Name of KAO" far out from original meanings,and this is why this ritual effectivly sounds strange and kaotic to human's mind (especially not-Japanese people).This strange and kaotic sound's vibration immediately brings KAOSTORM to anywhere this ritual enforced and the KAOSTORM also quickly disappare in following silence. after this,the place will treated as "comfortable blank" that good for any magical,sorcery and healing works.

The "Strange uncle" is the man of chaos,like "Green man of spring",but more meaningless and chaotic.He doesn't have any relations to seasons,Myths,folk lores and "Angelic/Demonish" value,JUST strange.One of the good refference to help visualising him is Kenneth Anger's film"INAUGURATION OF THE PLEASURE DOME",you can see a face painted man as the BEAST and other strange characters in this strange film.

"Uncle" means that he is the blood family,but who's? Why is he such strange and non-sense? Where does he come from and go to? Why does he have no relations to any myths or folk lores? these are suggestive questions for every KAOIST.

(The Final Abyss of Omoshiro KAOS / 2002)
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お蔵出し原稿シリーズ:できる!チャネリング講座

2000年

■■■特別寄稿■■■
できる!チャネリング講座  TEXT=合コンの夜明け団

◇できるぞ!チャネリング
 チャネリングとは、人格の着せ替えとコミュニケーションのゲーム、「霊的ごっこ遊び」である。ここでは、個人の人格というものはそれほど確かな基盤によっているものではなく、外的刺激に機械的に反応して一瞬毎に現れては消えていくかげろうのようなものであるという認識が前提となる。実際のところ、職場での自分、友人といるときの自分、親に借金するときの自分、朝までエロチャットしてしまうときの自分は、それぞれ独自の人格として輝きを放っているはずだ。行動心理学のセオリーが示唆するように、人格というものが周囲の環境に反応して働く半自動的な応対システムであるとすれば、それを意識的にコントロールしたり解放したりすることでより自由なマインドセッティングと心のエクセサイズを楽しむこともできるのだ。

人格というものが我々の精神において、いかに軽やかに現れ交換され得るかについて、こんな例を考えてみよう。
------------------------
職場の上司から「おう、今夜飲みいくぞ!」と強引に誘われる
 →「すいません、今夜はまだ仕事が片付かないので」
悪友から「今下北で飲んでるんらけろさー、はやく来いつーの2000!」と呼びだしが
かかる
 →「ざけんなよ金返せ」
------------------------

 このように、インプットされた情報に対応して半ば自動的にアウトプットを選択するシステムこそが「人格」であり、それは「ああいえばこういう」式の情報ルーチンそのものといえるのだ。我々は結構容易に人格を着替えることができるし、事実、意識的であれ無意識的にであれそうしているのである。

 さて、演技術において劇中の登場人物は「このキャラクターはああいえばこういう」式情報ルーチンの複合体、アプリケーションとして設定され、役者はこのアプリケーションを自身にインストールすることによって、まさにその人格に「なる」。この「なる」ということができてはじめて役者として一人前なのであり、不意のアドリブを迫られた時にも自分がアンドリューなり五衛門なりの「そのもの」であればセリフはまさに必然に導かれて溢れ出す。この状態はチャネリングそのものであり、優れた役者はアンドリューや五衛門といったそれぞれの役柄に自由自在にチャネルするチャネラーなのだといえる。

 チャネリングと演技術の比喩を持ち出すことを不快に感じるニューエイジャーもいるだろうが、ここで私はチャネリングを「猿芝居だ!」とけなしているのではない。そのベースとなる共通の心理的テクニックを考察することから、演技術を入り口として誰でも習得できるチャネリング術の体系を汲み上げることがねらいだ。以下に、その骨格となる概念を足速ながらまとめてみるので、興味を持った読者諸氏は各々工夫してトライしてみて欲しい。

◇早口で一気に喋ろう!
 チャネリングセッションに台本はない。すれっからしのチャネラーなら場数、経験から積み上げられたある種の不文律や定石進行を持っているかもしれないが、アドリブ空間、偶然の間に満ちた場にこそ真にピュアな霊的情報が紛れ込むのであり、したがってチャネラーの力量は臨機応変なアドリブ力にこそ問われるべきだ。徹夜明けのファミレスなどで、思考は停止しているのに喋りは止まらないといった状況を思い出して欲しい。またプレゼンテーションの名手とされる人物は、思考のスピードを追い越して口から溢れる言葉のリズムにのって喋りまくり、聴く人を魅了する。

 このように、発話のスピードをあげて情報の不断の流れを形成すると、そこにある心理的・霊的な「隙間」が生まれ、通常の意識が捉えることのない微妙な情報が発話者に流入する。密教などで使われるマントラ(真言、呪文)も、早口で途切れることなく繰り返し唱えることで変性意識状態に誘導するという、同様のテクニックを用いているのだ。チャネラーは精神の窓にうつるどんな微妙な印象もすかさず捕え、思考の網にからめとられるよりも素早く発話することによって、絶え間ない情報の渦とその中心の心理的真空状態を生み出す。素早く朗々と、淀みなく長いアドリブセンテンスを発話するために、腹式呼吸や早口言葉など、基本的な演技術の訓練が役にたつだろう。

◇いろんなキャラを楽しもう!
 一定以上の発話スピード、情報の速度を維持することで、さながら高速で回転する独楽のような安定性と自在性の場がチャネラーの精神に形成できれば、次にそこに流れ込む情報にある規範、「ああいえばこういう」ルーチンを用いて情報の交通整理=チャネル対象のキャラづけを行う訳だが、チャネルする対象もまた一個の人格というアプリケーションとして扱われる以上、どうしても固有のクセができてしまい、情報の自在な流れと速度を損なう要因となりがちだ。プレアデス星人にはプレアデスっぽいクセ、シリウス人にはそこはかとないシリウス臭さというものがあり、そのメッセージも初期のインパクトを超えてアクセスを続けると次第に固定化と沈着が起きて、大筋ではあまり変化のない、妙に説教臭いものになってしまうものなのだ。そこで、複数のチャネル対象を次々にスイッチしていくというテクニックを用いて、うかつに安定しがちなセッション展開にダイナミックな跳躍力を導入することができる。

 チャネル対象のメッセージはチャネラーのボキャブラリー、知的情報量にある程度制限され、翻訳されたかたちで表現される。あるチャネル対象(銀河連合の人らしい)がチャネラーの口を借りていみじくも語ったように、「R(チャネラーのこと)はあまり知識がないしボキャブラリーも少ないので、その媒体を通じて発信するわたし(チャネル対象のこと)のメッセージもまたそれに制限される」、つまり心でキャッチしろ、ということなのだが、要するにメッセージを組み立てる材料、情報はチャネラーというメモリーに格納されていて、外部から無尽蔵に供給される訳ではないということだ。ならば、その限られたリソースを最大限に活用するために、アウトプットの経路に多様性を持たせることが重要となる。ウェブなどに活用されるMIDIプラグインをイメージしてもらえれば分かりやすいだろう。音源は各端末に装備された限定的なものだが、演奏データによって様々な表情を演出することができる。一人のチャネラーという媒体を共鳴装置として使い回しながら、演奏者、コンダクターを次々にスイッチすることで思いがけない深みと拡がりをセッションにもたらすことができるのだ。

 K氏も書いているように、我々が同席したあるチャネラーのセッションでは優等生的な好青年、ブッとんでるけど根はいい奴、爺、お色気女神さま、といった個性豊かな面々が唐突にスイッチしてチャネラーのなかに現れた。そのスイッチングには何ら話の流れ的な文脈はなく、まぁ場の流れを邪魔しない程度の唐突さで突然「わしゃー爺じゃー」「女神よウフン」とめまぐるしく入れ替わるのだからたまらない。厳粛な場でうっかり霊的爆笑地雷を踏みそうになるが、実はこの爆笑すれすれの危ういインパクトこそが、セッション参加者の固定しがちなマインドセッティングを揺さぶり、さらなる霊的深層領域への扉を解放する秘訣でもある。

 ある問題を様々な視点から捉えること、これはあらゆるカウンセリングの基本ルールだ。セッション参加者の抱える問題に、優等生なりの、爺なりの、お姉さまなりの視点で向かい合うことで、問題の深層に無理なく立ち入っていくことが可能となり、またチャネラー自身、アクセスする霊的存在と公平な関係性を維持し、自身の資質を最大限に発揮できるという恩恵を被る。せっかくチャネリングを嗜むのなら、チャネル対象は可能なかぎり多岐に渡っているほうがいい。プレアデス人もシリウス人もジャイアント馬場もと、あらゆる個性と交流できるほうが楽しいし、心身の風通しをよく保つという意味でも、固定されたひとつのキャラクターに執着するよりも幅広いスペクトルの情報と広く浅く戯れるほうが得るものが大きいのだ。

◇参加者との対話でグルーブを生め!
 セッション参加者とのインタラクティヴな対話も重要だ。先に人格の機能を「インプットに対しアウトプットを選択する自動応答アプリケーション」と捉えたことを踏まえれば、プレアデス人とてチャネラーやセッション参加者との交流によってその個性は刻一刻と変化していくのであり、決めセリフや定石パターンというかたちでチャネラーに沈着しがちな「クセ」を常に回避しながら、その存在の自由さ、軽やかさを確保しなければならない。セッションが参加者全員の充分な交流、対話によってバランスよく進行していれば、参加者とのインタラクティブな関係性が「審神」の役割を果たし、チャネラーとチャネル対象を常にいい方向へナビゲートしていくのだ。

 一方通行的なメッセージの垂れ流しはチャネラー、チャネル対象、セッション参加者の関係を不自由にし、神秘化のプロセスを加速してしまうし、チャネラーというメモリーに格納された限定された情報だけでメッセージを組み立てていけばものの数分でネタ切れ状態となり、あいまいで退屈な宇宙論や高慢なご神託に埋没してしまうだろう。常に動いていく関係のなかで、一瞬一瞬の機微に折り込まれた情報に軽やかにアクセスし、開かれた情報の流れとフィードバックを確保することが重要だ。台本のない即興劇に偶然というエネルギーを供給するのはインタラクティヴィティであり、まさにこの点において、参加者、チャネラー、そしてチャネル対象をも含めた「グループセラピー」としてセッションが機能するのである。

◇さいごに
 チャネリングセッションは、「はじまり」と「おわり」の節目をきちっとつけることが大切だ。「こっくりさん」のような、特別なお出迎え・お見送りの儀式などは必要ないが、チャネラーとセッション参加者の意識の同期をとる程度の簡単な、はっきりとした合図をもってチャネリング空間と日常空間の区切りをつけることは、セッションのクオリティと日常生活の健やかさの双方にとって必要なことだ。軽く手を打って「はい、プレアデス人でーす!」と勢い良くはじめ、「んじゃ、バイバイキーン!」と元気に言い放って再びパン!と手を打ち、小気味良くセッションを閉じるなど、各自工夫して気持ちいいテンポをつかんで欲しい。この「開始と終了」のステップさえはっきりと行えば、セッション自体はいついかなる場でも可能だ。合コンの席の余興として、じゃんけんでチャネラーを決めて行う即席セッションなども楽しいだろう。

 チャネルする対象は、自由に設定してかまわない。チャネラーがアクセスする情報は死者の霊などとは異なるフェイズの「サイバーインフォメーション」なので、いま生きている友人や家族でも必要な礼儀さえわきまえれば充分に可能だ。まずは個性的な友達やテレビタレントなどからはじめて、次第に宇宙人などの込み入った設定を試していけばいいだろう。チャネル対象の設定は基本的にインスピレーションと創作で構
わない。その設定から生まれるメッセージのクオリティこそが重要なのであり、どんなに偉そうなキャラを扱っても、なんか不穏なことをいってきたり高飛車な態度をとるようであれば、躊躇せずに拍手一発でチャネルを遮断するよう心がけておくことも大切だ。あらゆる設定から常にコンディションのよい情報を引き出せるまで熟達してしまえば、その対象が実在するか否かはさして重要ではなくなる。

 チャネリングに限らずあらゆる霊的メソッドが陥りやすい罠は、うかつな神秘化だ。チャネル対象があるひとつの支配的な人格に固定されたり、チャネラー、チャネル対象、セッション参加者相互のインタラクティヴィティが充分に機能していないと、遅かれ早かれこの神秘化というプロセスが起こり、チャネラーとチャネル対象の風通しのいい関係が損なわれてしまう。神秘化されたチャネリングは次第に風変わりな新興宗教と大差ないものとなるし、神秘化されないにしても相互の関係が「なじみ」となってなぁなぁの関係が続くことで、チャネル対象はチャネラーの意識と同化してしまい、なんら霊的インパクトのない「退屈なやつ」へと退化してしまうだろう。

 チャネリングとは、いうなればゴッドサーフィンの技術なのだ。ハイアーセルフ、銀河連合、ジャイアント馬場等々、あらゆる精妙なバイブレーション、意識の上位スペクトルに自由自在にチューニングし、アクロバティックな技を連発しながら波から波へと跳躍していくこと、その軽やかさがチャネリングの魅力だ。この奇妙で楽しい「コミュニケーションゲーム」を存分に楽しむために、まずは自身の波乗り感覚、様々な霊的重力場に足をとられることなく泳ぎ切るしなやかな筋力とセンスを磨いておこう。

(2000年)
posted by bangi at 01:24| Comment(0) | 詩と芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月28日

「タロットワークブック あなたの運命を変える12の方法」メアリーKグリーア著/鏡リュウジ監訳/現代タロット研究会訳


不肖Bangiが翻訳チームに参加、鏡リュウジ氏監訳で訳出されたMary K. Greer "Tarot for your self" 全訳「タロットワークブック あなたの運命を変える12の方法」が朝日新聞出版より刊行されたのでここにお知らせ。

tarotworkbook_cover.jpg

 本書は80年代以降の欧米タロットシーンに起きたひとつの「革命」の発端となったベストセラーであり、長らく訳出が待ち望まれていた「現代タロットのモダン・クラシック」である。本書以降の欧米「現代タロット」シーンは、いまだ充分に日本の読者に紹介されているとは言い難い。2007年にはジョアン・バニング「ラーニング・ザ・タロット―タロット・マスターになるための18のレッスン」が伊泉龍一氏によって訳出されているが、ともかくもこの2著をもって、日本語圏での欧米最新タロットシーン紹介がいよいよ開始されたといっていいだろう。

 本書「タロットワークブック」において、タロットワークは単に「占い」のツールとしてではなく、ユング心理学、黄金の夜明け/クロウリー経由の西洋秘教伝統、そして70年代カウンターカルチャーからニューエイジへと連なるモダンスピリチュアリティを統合した「自己探求と自己変容」のツールとして位置づけられている。そして読者自身がタロットを手に取り、Q&Aとエクセサイズを体験し、ページに書き込みながら読み進むワークブック形式となっている。

 著者メアリー K.グリーア氏は豊富なタロット関連著作に加え、"Women of the Golden Dawn: Rebels and Priestesses: Maud Gonne, Moina Bergson Mathers, Annie Horniman, Florence Farr" (1996)や、ドナルド・マイケル・クレイグとの共著 "Tarot & Magic"(2002)などの著作があり、イシス友邦団Fellowship of Isisの高等女司祭を務めるなどバリバリ「その筋」の人だ。

 また同時にアロマテラピーやクリスタル、エナジーワークなど現代的スピリチュアルアイテムを柔軟にタロットワークに統合するなど、極めてモダンで女性的なスピ感性を体現する人でもある。そんなグリーア氏の記念碑的ベストセラーとなった本書の面白さと「使える度」はまさに超A級であり、現在も継続する欧米「タロット革命」の熱源足り得るのも納得の1冊。本書の訳出に関われたことはおれ自身大変光栄に思う。

 本書ではベーシックなHow Toに加え、ケルティッククロスのさらなる詳細解析、パーミュテーション(置き換え法)によるスプレッド拡張、生年月日から対応タロットを割当て自身のパーソナリティ解析を深める技法etc. 、タロットリーダーが現場で使える実践的知識、タロットワークを開始する前の「4元素による浄化」のアクティブイマジネーション、「タロットの中に入る」パスワーキングといった西洋近現代魔術から抽出された技法、そしてペンデュラムやクリスタルとタロットの併用、エナジーワーク的身体技法など70年代カリフォルニア文化からニューエイジへの流れを踏む現代スピリチュアリティのエッセンスが見事に統合されている。

 まさにこの1冊で60年代オカルトリバイバル、70年代カリフォルニア〜ネオペイガンムーブメント、80年代から現代に継続するスピリチュアルカルチャーをタロットによって横断する「至高の宝石箱」の読書体験が凝縮されているのだ。

 またタロットの起源に関する学術研究の最新成果も附録として収録されており、タロットリーダー、魔術師/魔女志願者、ヒーラーやモダンスピリチュアリストからアカデミックな書斎派までもを魅了する、奇跡的なまでにワイドレンジで包括的、実践的なテキストブックとなっている。この点からも、タロットを初めて学ぼうとするビギナーにこそ、この1冊から始めることを強くお薦めできる。本書には「あなたにとってタロットとは何であり得るか」という誠実な問いかけと、探求の旅路への最上のナビゲーションが用意されているからだ。

 本書は最初の一歩を踏み出す瞬間にあなたの背中にそっと手を触れ、また長い旅路を常に伴侶として寄り添い続けるだろう。占い師、オカルティスト、魔女っ子、ヒーラー、シャーマン、読書家蒐集家そして恋人達よ、2012年の「タロッティストの夜明け」に刮目せよ!

いやホント。

PS.
訳者あとがきも「現代タロット研究会」を代表して不肖Bangiが超エモいやつを書かせていただいたので、そちらもお楽しみあれ。

twb.JPG

書籍タイトルなどは透明フィルムカバーに印刷してあり、カバーを外すと目にチカチカくるブルーとピンクの「愚者」だけの悩ましげな表紙になります。フィルムカバーをつけてコーヒーもカレーも納豆も無敵にエクセサイズ、はたまたカバーを外して思わせぶりに無言な愚者をお洒落カフェのお伴に。イケてる感じにつくりました。ENJOY!





posted by bangi at 20:16| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

Dommune「DECODING PUNK」

■いまいちばんイケてるストリミーング番組Dommuneに、2012年6月13日長尾謙一郎氏の大傑作サイケデリック陰謀コミック「PUNK」完結を記念して、岡山市のアイソレーションタンク併設心療内科HIKARI CLINIC/COCOON院長・精神科医遠迫憲英氏と共に出演、アイソレーションタンクとか陰謀とかオカルトとか311とかの視点であーだこーだ語るという主旨。キャプチャーが上がってたのでここに報告する。



■このような芸術家の深い源泉から噴出する啓示的作品に、知恵熱的な文脈をこじつけてぐだぐだいうのは極めて無粋な話であり「とにかく読め」くらいしか言うことはないのだが、それでも全国の知恵熱陰謀家のために付言するなら、「PUNK」全4巻はロバート・アントン・ウィルソン「イルミナティ3部作」からKLFへと連なるコスミックトリガーの日本における最新Emergenceであり、膨大なシンクロニシティを内包した「本物の」最新陰謀DROPである。またチェスタトン「木曜日だった男」ガーヴァー「第3等級の姉妹」といった陰謀文学の系譜に連なる最新陰謀文学コミックでもあるのさ!とにかくアフィリンク張っとくからよろしく!



■おれこの番組で初めて長尾さんとお会いする前は「絶対アントンウィルソン&KLFマニアだ」と勝手に思ってたんだけど、会っていろいろ伺ってみるとその辺り「全く知らなかった」とのことで、えマジで!と驚愕。なにがヤバいってDommuneでもちと喋ったけど、アントンウィルソン「イルミナティ3部作」の主要登場人物(イエローサブマリン船長ハグバードセリーンはセドリックのアナグラム、黒人女戦士メイヴィスにイルカのハワード!)が「PUNK」にも登場してるんですよ。彼らELF(エリス解放戦線)のメンバーは今なお識域下ネットワークに暗躍し、ポスト311日本のシャーマン脳に向けて緊急メッセージを発振してるのかもね。ついでに「イルミナティ3部作」とそのDNA解析書「コスミックトリガー」のアフィリンクも張っとくので買えるうちに買っといてよろしく!





■このあたりの「陰謀のエモーション」について、なにげに全部まとめてダイジェストしておいた「映画『ナンバー23』解説」(当ブログ2010/01/13のポスト)はこちらで読めます。http://23youbi.seesaa.net/article/138229267.html

■ついでにDommuneでもご一緒した盟友・遠迫憲英氏と、能勢伊勢雄氏のFM番組「MUSIK SPECTACLE」に出演してなにげに核心ついたこと喋っといたのはこちらから。
omniverse 2009/1/7 http://sun.ap.teacup.com/voidphrenia/573.html

■さらにDommune出演前後のおれの揺れ動く気分ツイートはトゥギャッターにまとめておいたぜ!「PUNKについて」 http://togetter.com/li/321987

■おまけに今回Dommuneのためにおれがウヒョウヒョいいながらまとめた「PUNK完結記念・陰謀とシンクロニシティの年表」は以下に掲載しとく。グーグルのおともに!

「PUNK」完結記念・陰謀とシンクロニシティの年表

1948 出口王仁三郎死去
1951 慶応義塾大学ワグネルソサエティ「ダークダックス」結成
1952 ジャック・パーソンズ死去
1954 ガーフィンケルUCLAに/チューリング青酸カリ入りリンゴで自殺/ハクスリー「知覚の扉」/サイエントロジー協会設立/平沢進 出生/デーブスペクター 出生
1957 ヴィルヘルム・ライヒ死去
1960 ケネディ/ニクソン選挙
1961 リリー「Man and Dolphine」
1962 ケンキージー「郭公の巣」/キューバ危機/マリリンモンロー死去/バタイユ死去
1963 JFケネディ暗殺/ハクスリー死去/フラー「宇宙船地球号」
1964 メアリープランクスターズ/バロウズ「ノヴァ急報」/マクルーハン「メディア論」/ディック「火星のタイムスリップ」
1965 Principia Discordia初版(5部)/ベトナム北爆
1966 文化大革命
1967 チャールズ・マンソン出獄
1968 カスタネダ「ドンファンの教え」/リリー「バイオコンピューターとLSD」/マクルーハン「War and Peace in the Global Village 」
1969 シャロンテート殺害事件/グラディ・マクマートリーOTO再建/ニクソン政権
1970 Principia Discordia4版
1971 リリー「意識の中心」/バロウズ「ワイルドボーイズ」
1972 ニクソン訪中/ウォーターゲート事件/グラント「Magickal Revival」/長尾謙一郎 出生
1974 ニクソン辞任
1975 RAW「Illuminatus! Trilogy」/マッケナ「Invisible Landscape」/ベトナム戦争終結
1976 Apple I発売
1977 文化大革命終結/Cosmic Trigger/アップル設立
1978 シュルギン「幻覚剤の薬学」/キャロル「無の書」/ バロウズ&ガイシン「Third Mind」
1979 スターホーク「聖魔女術」
1980 マーシャル・マクルーハン死去
1981 バロウズ「シティーズオブザレッドナイト」/ディック「ヴァリス」
1982 PKディック死去
1983 RAW「Prometheus Rising」/バックミンスター・フラー死去/「デコーダー」公開/クロウリー「法の書」邦訳
1985 MDMA非合法化/イスラエル・リガルディー死去
1986 ボアダムス結成
1989 神経政治学邦訳/芝浦Goldオープン/坂本弁護士殺害事件
1990 KLF「Chill Out」
1991 ハキム・ベイ「TAZ」/シュルギン「Pihkal」
1992 マッケナ「Archaic Revival」/バロウズ「アプークイズヒア」邦訳 /長尾謙一郎デビュー(20才)
1993 RAW「サイケデリック神秘学」邦訳/いとうせいこう「解体屋外伝」
1994 RAW「コスミックトリガー」邦訳/レーザーアクティブ「メロンブレイン」発売
1995 TSUYOSHI Return to the Source日本でスタート/阪神淡路大震災/オウムサリン事件/OTO SGNオアシス開設
1996 ティモシーリアリー死去/岡本太郎死去
1997 ハキム・ベイ「TAZ」邦訳/バロウズ死去/酒鬼薔薇事件/シュルギン「Tihkal」
1999 「マトリックス」公開/ボアダムス「VISION CREATION NEWSUN」
2000 テレンス・マッケナ死去
2001 アメリカ同時多発テロ/ジョンCリリー死去
2002 月刊23曜日開始/長尾謙一郎(30才)/小池圭一「ウルトラヘブン」
2003 キャロル「無の書」邦訳
2004 ケイオスマジックワールドミーティングin荻窪/ブラウン「ダヴィンチコード」邦訳
2005 CTT
2007 RAW「イルミナティ3部作」邦訳/「ナンバー23」公開/RAW死去/「ダヴィンチコード」公開
2008 長尾謙一郎「ギャラクシー銀座」/アルバートホフマン死去
2009 民主党政権/「アバター」公開/HIKARI CLINIC開設
2010 長尾謙一郎「PUNK」/Summer of Illumination/Dommune開始/「インセプション」公開
2011 ガーフィンケル死去/スティーブ・ジョブズ死去 東日本大震災
2012 長尾謙一郎「PUNK」完結/ブラッドベリ死去/長尾謙一郎(40才)

Nothing is true, everything is permitted.
KAOTAOATOAK and ENJOY!
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2012年04月11日

こどもほうのしょ朗読会 on USTREAM


去る2012年4月8日〜10日にかけての「聖なる3日間」、即ち1904年エジプト・カイロにてアレイスタークロウリーが「法の書」を執筆した3日間を記念して、新訳「ほうのしょ」朗読会がUSTREAMを利用して開催された。3人の朗読者による素晴らしい3夜の記録をお楽しみあれ。

朗読:ほうのしょ

◆第一章◆
1日目(4月8日)23:00〜 朗読:谷崎榴美
http://www.ustream.tv/channel/こどもほうのしょ朗読会
rumitan.jpg

◆第二章◆
2日目(4月9日)23:00〜 朗読:Bangi Vanz Abdul
http://www.ustream.tv/channel/bangi-stream
bangi.jpg

◆第三章◆
3日目(4月10日)23:00〜 朗読:マナイ
http://www.ustream.tv/channel/434
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ノイズ修正・音質調整版MP3(ダウンロード可・クリエイティブ・コモンズ)はこちら

「法の書」と2012年新訳については当ブログ2011年クリスマスのエントリを参照。このエントリで第1章が掲載されているが、続く第2章、第3章はこの夜が初お披露目となった。訳者は聖子ちゃん(小学五年生)雄大くん(小学五年生)樹(たつる)くん(小学二年生)が各章を担当した。

聖なる3日間の朗読会を企画し、訳者の尻を叩いて美しいテキストをひきだし自ら愛と恍惚の女神ヌイトを召喚した谷崎榴美氏、そして偶然の必然に導かれながら、両性具有の童神ラ・ホール・クイトの冷たくうつろう蜃気楼を現出させたマナイ氏両氏に尽きせぬ感謝と賞賛、我が意志の下の愛を捧げる。ほんとにありがとう。

これら朗読に相応しい美しい音律にチューニングされた「ほうのしょ」により、来年以降「聖なる3日間」には無数のヌイトが、ハディートが、ラ・ホール・クイトが、ニコニコ動画やYoutubeに降臨することを夢見つ。

アレイスター・クロウリー「法の書」拝授108周年記念
聖なる3日間 こどもほうのしょ朗読会 2012年4月8日/9日/10日
新訳「ほうのしょ」全文(bangivanzabdul.net)


20120706追記:
特設サイトがなくなっていたので、特設サイトに寄稿したテキストを以下に付記する。

2012年新訳「ほうのしょ」について / Bangi Vanz Abdul

1904年、エジプトはカイロにてアレイスター・クロウリーが受信した霊界文書「法の書」は、新時代の霊智を高らかに宣言!するというふれこみながらも、極めて難解晦渋・不穏なメッセージで埋め尽くされており、一部の物好き以外にとっては新時代の霊智どころかヤク中エロオヤジが受信した毒電波記録、的な評価に甘んじるほかなかったわけです。ところがどっこい、クロウリーはヤク中でもあり魔術師でもありましたが、スィンバーンを敬愛しボードレールを翻訳紹介したまっとうな「詩人」でもあったわけです。「法の書」翻訳にはいくつかのバージョンがありますが、どれもこの「ポエジー」をつたえることに成功した訳はかつてなかったといえます。

今回、法の書が授けられた「聖なる3日間」の朗読会にあたって、まったく新しい訳、「法の書」がたたえる芳醇なエロスとポエジー、美しい風景を味わっていただける新訳を用意しました。題して「こども・ほうのしょ」。小学5年生の聖子ちゃんと雄大くん、そして小学2年生の樹くんによるちびっこ口語訳で、この「20世紀最大の寄書」にエンコードされたうっとりするような不思議な風景を楽しんでいただければと思います。

なぜちびっこ訳なのかって?それを説明すると長くなるのではしょっていいますと、クロウリーが予言した霊的新時代、すなわち「ホルスの時代」とは、先行する「イシス(母)の時代」「オシリス(父)の時代」から導かれる「こどもの時代」として位置づけられる、のであります。そこではこどものような無邪気さ、活発さ、残酷さによって彩られた新たな人間霊性による、全く新しい文明のステージが用意されているのです(少なくとも、クロウリーはそう信じたのです)。ですから、輝かしき「ホルス(こども)の時代」を宣言する最重要文書である「法の書」が、「ほうのしょ」として、こどもたちによるこどもたちへの語りかけとして表現されるということは、理にかなったことなのです。エヘン。

まー難しいことはおいといて、この古くて新しい「ほうのしょ」の世界に、ただ聴きいってみましょう。
第1章の、天空の女神ヌイトが語りかける官能的な砂漠の夜、第2章で、秘密の太陽ハディートが伝えるひみつのおしえ、そして第3章で「闘いと復讐のわらべ神」ラ・ホール・クイトが語る血に染まった霊的新時代の予言…
きれいで、こわくて、ちょっぴりエッチな、砂漠の夜のファンタジーに、ご一緒しましょう…!
アブラハダブラ!



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2012年02月22日

時間憲法 Constitution Of Time


昨年から暖めているアイデアで、2013年にNPO法人設立と併せて進める予定のプロジェクトについて、さわりだけだがここに記しておこうと思う。

そのアイデアは昨年11月頃、東京から岡山への約10時間の(助手席での)ロングドライブの最中に、ふと閃いた。




■311、未来への想像力

原子力技術の問題点は様々なレベルで論じられるが、「未来に対する責任」を問う倫理的な問題としての批判は思いのほか少ないように思われる。当然そういった視点からの危機感は広く共有されてはいるだろうが、明瞭に言語化されてないのではないか。

それはひとえに、我々人類が10万年ものスパンの時間軸を扱うだけの想像力を持ち得てないことに依るのではないか。

手元に資料がないのでうろ覚えだが、フィンランドのオルキルオトに建設される放射性廃棄物保管施設は、10万年後の文明に対して「ここに危険な放射性廃棄物が保管されている」ことを伝えるための施設デザイン案を公募した(だったと思う。ヨーロッパのどこか他の施設かも知れない)。10万年後となると文明も言語もどうなっているかさっぱり予測できないので、鋭角でトゲトゲしく向き合う灰色の塔など、象徴的・元型的なレベルで「入るなキケン」というメッセージを伝える建築デザインのコンペティションとなり、数点みた応募作品の戦慄が走るような美しさに息を飲んだ記憶がある。これなどは、人類が10万年後の世界に対する想像力を獲得しようともがき、メッセージを伝達しようという意志を表した例だが、他にも同様のスケールの時間軸を扱うプロジェクトがあるとは寡黙にして聞かない。

現在の未熟な原子力技術の根本的な問題点は、未来に対する無責任だ。未来に対するViolationがかくも公然と行われる理由は、それが悪いことだと考えていないから、すなわち時間軸に広がる想像力と倫理を未だ人類が獲得していないからだ。しかし、311を経て我々は数千年、数万年単位での汚染という危機に直面し、それが今日明日の日常の危機と地続きであることを思い知った。

広島、長崎、福島と3度に渡る核汚染を経験した日本人の脳神経回路に、必然性に導かれて遂に発火するあるアイデア。それは空間座標のみならず時間軸座標に拡張される倫理の体系、すなわち時間憲法 Constitution of Timeだ。(※1)



■空間の倫理/時間の倫理

「人権」や「平和」といった、これまでどうにかこうにか人類が獲得してきた(いわゆる)「人類普遍の価値」と並び、次なる文明の成熟段階において必ずや到達するであろう、その到達なしには文明の終焉を覚悟するほかないであろう(進化をやめた生命が留まることはない。進化を放棄した瞬間、それは直ちに退化し始める)人類の新たな倫理、その表現形態が「時間憲法」だ。

「自由 Liberté」「平等 Égalité」という概念が示すように、人類の現時点での倫理的到達点は「空間的な」想像力に依拠している。万人は「地球上のどこにいても」すなわち「空間的」に等しく尊重され、幸福を追求し、相互理解と寛容をもって平和と繁栄を目指すという倫理的責任を、人類はどうにかこうにか獲得した。これだって割と最近のことだ。大航海時代を経て通信衛星と電子メディアによる「空間のフラット化」が、「空間的」人類普遍の価値というものをかろうじて生み出した。エチオピアの飢餓は救済されねばならず、中東の民衆は独裁政権から保護されねばならず、男女は同じオフィスと給料で労働できなければならない、という訳だ。

交通と通信の技術発展は、この惑星表面の有限性の認識に基づく「最大多数の幸福」を追求する必然として「球形の膨張=フラット界面の獲得」という結論を既に予感させている。次に起こるのは、情報技術の発展による「記録」と「記憶」とのフラット化と、「歴史」の変容、率直にいえば「時間の終わり」だ。



■単線時間軸の終焉

いうまでもなく「歴史」は常に解釈され、変奏され、改変され放棄されてきた。ボトムアップ式に生成と淘汰のメカニズムによって形成されてきたのが「神話」であり、国家をはじめマルチレベルなコミュニティにおけるコモンセンスによって定義・運用されてきたのが「歴史」である。しかしその両者は、現在の情報技術的状況において避け難い変容を迫られている。(※2)分散型ネットワーク上にあらゆる出来事が記録され、ハイパーリンク化された無限のコンテクストが一瞬一秒生成され続けるこの世界で、歴史の単一性、神話の権威、すなわち「単線の時間軸」はもはや不可能となる。全ての起こりえた過去と全ての起こりえる未来が融合・フラット化した時、人類は「異なる時間軸」間の交通を確保する基本ルールのグランドデザインを獲得しなければならなくなる。(※3)


■時間憲法 Constitution of Time

時間憲法は、大きくは上記二つの「時間軸上に拡張される倫理」と「異なる時間軸間の共有倫理」を規定する。我々は未来を略奪してはならない。我々は過去を搾取してはならない。我々は異なる時間軸を尊重し、相互理解と共存を目指さなければならない。異なる時間軸間の使節、また旅行者は、その安全と権利が保障されなければならない。



この新たな倫理の獲得と表明によって何が起きるか。

それは現在の原子力技術の何が問題でなぜ克服しなければならないのかという問題に、倫理的基盤を提供する。

それは異なる時間軸の共存を可能とするための倫理的基盤と実践のグランドデザインを提供する。

そしてもうひとつ。これは後述する。



目下のところ、時間憲法そのものについて語るのはここまでにしておこう。現在、憲法学者やアーティストなど様々な人たちとアイデアをシェアし、協力関係を築き、さらに深く掘り下げながら「憲法草案」というかたちに纏めあげ、しかるべきタイミングで公開する準備を進めている。

この憲法草案はオープンソースプロジェクトとして共有される。すなわち、ネットワーク化された集合知による人類最初の憲法をつくる、という実験でもある。





■余談

人類学者/化学者テレンス・マッケナの「タイムウェーブゼロ理論」では、火の獲得から車輪の発明、自動車や航空機に情報ネットワークへと至る人類の技術の進化は、累乗的な加速度を伴っているとする。すなわち、車輪から自動車までの進化に数万年を要したのに、自動車から航空機までは僅か200年程度で到達、飛行機から月面への人類着陸は僅か50年ほどしかかかっていない。この加速度曲線を基にマッケナはタイムマシンの発明を2012年と予測した。

しかし、2012年すなわち今年中に、人類はタイムマシンテクノロジーを獲得できそうかというと微妙なところである。これはどういうことだろう。

2012年を「タイムマシンテクノロジーの実現」ではなく、先述のような「時間概念の拡張」として捉えると、昨年末からおれの頭に飛来し今このブログ記事として公にされた時間憲法プロジェクトの持つ意味が見えてくる。

もうひとつ。
「時間憲法」は、「異なる時間軸間の使節・旅行者の安全と権利」を保障する。
人類の意識と文明の成熟度がこの時点に到達したことを見て取った瞬間、既に「異なる時間軸間の連合文明」を実現した知性は我々の時間軸に外交官を派遣するだろう。そして我々に、いわゆるタイムマシンテクノロジーを贈与するだろう。

タイムマシンテクノロジーとは、我々人類自身が、現在の科学技術の延長線上に発見・獲得しなければならないものではなく、またそんなことは不可能かも知れない。しかし、我々がその技術を所有するに値する、高い文明度と倫理哲学を獲得した高度な知的生態圏であることを証明できれば、それは突然我々の時空間に穿たれた穴を通じて、渡航の安全と真摯な対話の機会を憲法によって保障された時間外交官の公式訪問をもたらす合理的な理由となり得る。


このプロジェクトは2013年を目標として設立されるNPO法人「瀬戸内海文明デザイン&コミュニケーション」の最初のプロジェクトとして推進される予定である。書き足りないことも膨大にあるが、ひとまずは筆を置く。(※4)

2012年2月22日 常に新しい都にて
KAOTAOATOAK





※1
「憲法」と書くと大事に思えるが、英語では日本国憲法もWHO憲章も同じConstitutionである。時間に関する人類普遍の倫理を規定するConstitutionは、たとえばWHO憲章やユニセフ憲章などと同じレベルで実現可能なことに過ぎない。


※2
記憶のゆくたて―デジタル・アーカイヴの文化経済 武邑 光裕 http://www.amazon.co.jp/dp/4130634526/ref=cm_sw_r_tw_dp_wRhrpb0HVXJV9


※3
黒人も白人もイエローモンキーもわたしたち人類皆兄弟。イルカもクジラも宇宙人もお友達。我々はみな「この」宇宙の「わたしたち」これに根本的な異論が唱えられることは現代ではそうそうにないだろう。翻って時間憲法が提示する新たな挑戦の地平とは、ご先祖様も未来人も、「全てのあり得た、あり得る宇宙」のみんなが「わたしたち」だという認識に我々が到達できるかどうか、ということである。放射性廃棄物の件をみても、現在の人類は未だこの認識に到達し得ていない。

※4
ついでに近況報告。今はこれやってます。
http://www.eugenius.jp/ichi311/index.html



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2012年01月14日

光の蛇 The Serpent of Light

某所でヨガにおけるクンダリニーワークと西洋魔術における身体訓練「中央の柱Middle Pillar」の関連性についての話題がのぼり、独自に開発し長年親しんでいる個人的ルーティンがなんらかのヒントとなり得るかと思い当たったのでここに記す。

要点としては「中央の柱」における「光」の感覚、ヨガにおけるバンダ(締め付け)とスシュムナー(チャクラを結ぶプラーナの経路)の感覚を、土方巽、大野一雄、笠井叡に連なる舞踏の系譜に保持される身体-イメージ操作法のもとに統合した訓練ルーティンであり、いかなる象徴言語体系、あまたある神秘的身体観にも依拠せず、(想像力を含めた)純粋な体術としてパッケージされたもの、ということだ。つまり、ここではLVXの薔薇十字もチャクラに投影されるヤントラ図像もなく、「明るさ」「熱感」「圧力」といったミニマルな要素に還元された身体エネルギー論が展開されつつも、同時に西洋魔術的身体、ヨーガ的身体、舞踏的身体の「体感」のエッセンスが抽出・凝縮されている。このルーティンに習熟するのみではクンダリニーの上昇や悟りなどの神秘体験が得られる訳ではないが、しなやかで高圧力に耐え得るバッテリーとしての背骨と、その回路に迸る生命エナジーの感得、そしてそのダンサブルな表現を増強するものであり、それが何の役に立つのかと問われれば、、、その回答はウィトゲンシュタインの「語りえないものへの沈黙」の流儀に倣い、読者自身の思索と体験に委ねるのみである。

暗中模索、試行錯誤の鈍愚の航路を照らし導いてくれた我が3人の師に捧げる。

See what's happen & Enjoy.

(注記:心臓病など疾患を持つ人は実践にあたり医師と相談すること。実践によるいかなる疾患負傷に関しても筆者は一切責任を負わない旨確認した上で自己責任において実践されたし。)

光の蛇 The Serpent of Light

■光の下降

1.足は肩幅で直立し気息を整える

2.目を閉じ、頭上遥か上空が一面の明るい白色光で満ち輝いている様を想像する。(※1)

3.吸気しながら指先を伸ばした両手を左右一杯の弧を描きながら頭上へ伸ばす。 まっすぐなバンザイのポーズで息止めて一端キープ。指先、頭頂を細い糸でまっすぐに吊られる感じで、キープしたところからさらにもう一息吸気、踵あげ背伸びでキープ 背伸びと同時に頭上が一層明るくなるイメージ。

4.ゆっくり呼気とともに両手人差し指親指で三角形をつくり眉間に降ろし、息は吐ききらずここで一度キープ。 眉間の奥、松果体の位置に光源をイメージし「体内が明るい」イメージ。かすかな熱感。

5.残した息をゆっくり呼気しながら三角形を下向きにして性器の位置まで降ろし、僅かに息を残してキープ。 会陰部で「体内が明るい」イメージ。熱感。

6.そのまま息をゆっくり長く吐ききり、手は両側でリラックス。肩腕指先胸骨骨盤を重力に任せリラックスした状態で直立。足下遥か地球の中心に赤みを帯びた明るさと熱感をイメージ。


■蛇の上昇

7.息を吐ききった状態をキープしたまま肛門をバンダ(締める)。尻穴のひだを体の内側に巻き込み、背骨を通して頭頂からでた糸でそっと引っ張りあげる感じ。

8.自然な吸気とともに性器が暖かくなるイメージ 尿を止める要領で性器を軽くバンダ。バンダを解かずに息だけストンと吐ききってリラックス&キープ。(※2)

9.再び自然な吸気とともに下腹部の筋肉を微かに締めて骨盤を掴み、骨盤を前後左右の水平をとって丹田の一点をバンダ 。定まったらバンダを解かずに息だけストンと吐ききってリラックス&キープ。

10.再び自然な吸気とともに横隔膜を引き下げて丹田に息を入れる。楽にいっぱい入れきったら喉を軽く閉じ、息を止めたまま背骨を通って頭頂に抜けている糸で横隔膜を引き上げ胸骨を開き胸をバンダ。胸の中心から熱感が喉の奥と涙腺を刺激し緩む感じ。暖かく優しい感覚を味わい、バンダを解かず(横隔膜を下げず)息をストンと吐いてリラックス&キープ。

11.息を吐ききった状態のまま喉を顎を胸に付けるようにいて喉を押しつぶし、喉の気道が塞がれた状態をキープしながら(顎を引きながら)再び頭を起こしつつ横隔膜を降ろして喉をバンダ。重力で引き下げられる身体各部と横隔膜、バンダで締め上げられる背骨のテンションで、体内の真空が引き延ばされる感じを味わう。(※3)

12.適当な頃合いで喉のバンダを微かに緩め、喉の頸骨側奥を伝う細い吸気とともに、胸骨から上の背骨、頸骨、頭頂部をさらに真上に伸ばし耳の穴を開いて、息を松果体の位置まで入れる。息が入りきったところで眉間が内側にめりこむようなイメージで眉間をバンダ。

13.そのまま可能な限りキープ。頭頂からでている糸が遥か上空にまで伸び、遠く成層圏を吹く風に心地よく揺れているイメージ。

14.両手を体側に沿って腰、胸、頭上へと持ち上げながら(※4)、足の下地球の中心から艶かしい熱感が足、尾てい骨、背骨、頸骨、松果体に伝って蛇のように絡まりながらゆっくり上昇し、頭頂部から抜け出て頭上30cmの空中でとぐろをまくイメージ。呼気とともにとぐろを巻いた蛇が糸を伝って天上の光のなかに昇り消えていくイメージ。

15.伸びをして体をほぐしリラックス、またはシャバアーサナ(死体のポーズ)。以上で1セット完了。


(※1) この感覚の習熟には、目を閉じて部屋の照明を付けたり消したりして感覚を味わう、また目を閉じて額や体の各部位に懐中電灯を照らすなどの稽古が有効である。

(※2)肛門、横隔膜、喉以外の部位で「バンダ」と指示されているものは、微かで自然な筋肉の締め付けを伴うものの、肉体よりもややEthericな、微細体Subtle Bodyにおけるチャクラのバンダを指す。胸に関しては胸骨の位置を固める肉体的バンダと、アナーハタチャクラのEthericなバンダの混合となる。微細な感覚によるチャクラのバンダは、カメラの絞り羽、あるいは肛門括約筋の締め付けや閉じる気孔のようなイメージを各チャクラ位置に視覚化することも助けとなる。

(※3)この時やや苦しいが喉はしっかりとバンダされているので息は通らない。酸欠による意識の瞬間的なブラックアウト、転倒・負傷の危険があるので、自身の習熟度に併せて度を超さない加減を調整する。

(※4)体を包み込むようにそれぞれの手で反対側の体側を沿わせる。つまり「シャツを脱ぐように」両手を上げていき、最終的にバレェのアン・オーEn hautのかたちとなる。


■解説

この身体訓練法は、西洋魔術に於ける「光」を視覚化し体幹へ降ろす「中央の柱MIddle Pillar」のイメージ行法と、ヨーガに於ける下から順にチャクラを締めあげていくバンダの身体行法を組み合わせたルーティンとして設計されている。背骨を通る光の通路、個別のチャクラのバンダの感覚、バンダによって背骨の圧力を高めていく感覚に習熟することによって、蛇としてイメージされるエナジーが一種の官能性、恍惚感を伴いながら天上の光へと上昇していく体感をつくりあげ、圧力を高めた身体エナジー(クンダリニー)を上昇させる強健な背骨の路(スシュムナー)を開発することを目的とする。

10.の感情の揺れを伴う熱感、11.の「息を吐いた状態でのバンダ」と12の内耳拡張、松果体への集中の段階で、軽いめまい、内耳圧・眼圧の変化、頭痛のような熱感、圧力を感じる場合がある。こういった感覚はクンダリーニヨーガ実践において報告されるものと類似しているが、このルーティンでは深い瞑想やイメージへの集中に頼らずより簡潔な身体操作の手順によって、速やかかつ穏やかに同等の身体感覚・意識変容を促す。しかしながらめまいや酸欠によるブラックアウトと転倒はほとんどなす術ない程に突然に起こるので、無理をせず、安全への注意は万全でなければならない。

このルーティンにはハタヨガ、中央の柱を代表とする西洋エナジーワーク、そして舞踏の身体イメージ操作のテクニックが統合されている。すなわち実践者は自身の専門領域に留まらず、ヨガ、エナジーワーク、ダンスの訓練に広く親しむことで、この技法のより深い理解と自身による技法拡張の機会が得られる。
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2011年12月25日

子どものための法の書


93

クリスマスイブは自宅で聖母マリア像とキャンドルライトの即席アルターでワインを楽しんだら、今日クリスマスはかねてから暖めていたアイデア、「法の書」口語訳をなんとなく仕上げてしまった。一種のクリスマスギフトとして、ここに公開する。

20世紀の霊的巨人、アレイスタークロウリーが1904年カイロで受信したお筆先文書であり、難解極まりないと評判の「法の書」だが、おれはかねてよりその晦渋さよりも率直で官能的な詩的情景に心躍らせ、常々「法の書はまず詩として読め」と喧伝していた。しかし詩として読むには勿論原文にあたる必要があり、また幾つかの既存訳も訳詩としてのクオリティを追求しているものではないので、「詩としての法の書」はいずれ手をつけなければならないタスクとして胸裡に暖められていた。そして今回、儀式にもフィットする文語調の新訳を進める過程で、もうひとつの可能性、つまり子どもたちに向けて開かれた幻想詩としての「法の書」に思い至り、さくっとやってみた次第である。

この試みはひとえに純粋に美しい詩的情景として、ヌイトが直接に子どもたちに語りかけてもいいのではないか、という想いに依拠するものであり、子どもに対する教化を意図したものではないし、おそらくそのような狭義の意味での教化はそもそも不可能な代物だろう。しかしセレマイト(クロウリー信奉者)のご家庭で読み聴かせる絵本として法の書第1章があってもいいのではないか、程度にはその「教育的効果」を期待するものである。

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そもそも「えほん・ほうのしょ」とするならば第1章のみ、それもヌイトが語る謎めいた暗号や深淵な教えはばっさり割愛し、天界の一行が降り立つ砂漠の夜、香しい汗の香水と燃え上がる蛇の炎、狂おしい愛の歌とその消失、というドラマにフォーカスしたものとなるだろう。まーそもそもはそういうイメージではじめつつ、とりあえず第1章全文を口語訳で訳出した時点で、対象年齢を小学校高学年以上とした「児童文学・法の書」のかたちにまとめてみたという訳である。小学校高学年向け、とはいえ、むせ返るような扇情的エロティシズムやニーチェにも通じるハードコアな思想は、間違っても学校推薦図書として夏休みの課題に選べるような作品とはなり得ないが、自分が読んだ「法の書」を、子どもに向けて再話するという行為それ自体が(クロウリー自身による付言を敢えて無視しつつも)セレマ探求の作業Workとして意味を持ち得るだろう。

原文はたとえばここで参照できる。訳出にあたり、国書刊行会から出版されている既存訳、およびOTO公式訳は殆ど参照しないで、原文から訳出した。そのため、一部文意解釈が既存訳と異なる部分がある。さらに、子ども向けの口語訳とするために、随所に意訳・簡素化を行っている。また、縦横無尽に張り巡らされたカバラ的暗号や象徴表現はそもそもが翻訳不可能なものである。しかし、ヌイトが直接に子どもたちに語りかけながらも、その思想、エロス、神秘的・美的強度を損なうことなくセレマのエッセンスを写しきったものと自負している。

是非、お子様に!

93 93/93

(追記:文中、Ecstasy は「ひかり」とした。我ながら悪くないと思っている。)
(追記:「えほん・ほうのしょ」制作に協力してくれる画家、連絡乞)
(追記:なんだかんだでSor.Raven訳OTO公式訳は参考にさせて貰った。読み返すと随所にその足跡が残っている。ありがとう。)

法の書
ほんやく:聖子ちゃん(小学五年生)

The Book of the Law
Liber AL vel Legis
sub figura CCXX
as delivered by XCIII = 418 to DCLXVI
Chapter 1.

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1

1.ハドよ!(そう叫んで、ヌイトがあらわれた。)

2.(天国の一行が秘密のベールを開く。)

3.男と女は、みんな星。

4.どんな数字も、ほんとは無限で、同じです。

5.テーベの戦士王よ、わたしがみんなの前に姿をあらわすのを手伝って。

6.ハディートよ、わたしの秘密の中心、わたしの心臓、わたしの舌。

7.みて!ホオル・パアル・クラアトのみ使い、アイワスが秘密を明かします。

8.クハブスはクフのなか。クフがクハブスのなかじゃないわ。

9.だからクハブスを大切に。そうすればわたしの光があなたを照らします。

10.わたしに従うものは、ほんの少しの、みえない人たち。だけどたくさんの人々を助けます。

11.人々が崇めているのは、とんちんかん。神様も崇める人も、とんちんかん。

12.おいで、わが子よ、星空の下へ。そして愛で満たされるの。

13.わたしはあなたの上に、そしてあなたの中に。わたしの光はあなたの光。あなたがうれしいと、わたしもうれしい。

14.(宝石をちりばめた星空は、ヌイトの輝くはだかのからだ。彼女はうっとりしながら、ハディートの秘密の情熱に口づける。)
翼持つ珠、きらめく星空はわたしのもの。そうでしょ?アンク・アフ・ナ・コンス!

15. おわかりかしら? 選ばれた司祭にして無限の空間の使徒は、王子司祭ビースト。そしてその妻スカーレットが、全ての力を与えられています。その二人が、わたしの子供たちみんなを暖かいおうちに導くの。星の輝きがみんなの心に降り注ぎます。

16.ビーストが太陽なら、スカーレットは月。だけど彼にとっては翼はためく秘密の炎、彼女にとっては流れ星。

17.だけど、あなたはそうじゃない。

18.彼らの額で燃え上がれ、光の蛇!

19.青いまぶたの女よ、抱きしめて!

20.儀式の鍵は、私が彼に教えた秘密のことばの中にあります。

21.神様と、神様を崇める人々にとっては、わたしは無。彼らにはわたしがみえない。彼らは地面にいて、わたしは天にいるから。わたしとわたしの主、ハディートのほかに、神様なんかいないのに。

22.今、わたしはヌイトという名前であなたに知られました。彼には、最後の最後、彼がわたしを知るときに、秘密の名前を知らせます。わたしは無限の空間、無限の星々。だからあなたもそうなのです。しばりつけてはいけません!あなたと、あなた以外のもの、あらゆるものとを、区別しないで。そんなことをすると、いたみをもたらすから。

23.だけどそれがじょうずにできたなら、その人こそが導き手。

24.わたしはヌイト。わたしのことばは6と50。

25.引いて、足して、掛けてみて。わかったかしら?

26.(うるわしきヌイトの預言者にしてしもべが、こう言った。)
「わたしは誰なのでしょうか? そのしるしは何でしょうか?」
(するとヌイトは、かがみこみ、青い炎を揺らめかせ、すべてに触れて、すべてにしみ込んで、愛しい手は黒い大地に、しなやかなからだは愛で弓なりに、やさしい足は小さな花のひとつも傷つけず、こう答えた。)
あなたにはおわかりのはず! そのしるしはわたしのひかり、絶えなく続くものを知るこころ、いつどこにでもあるわたしのからだ。

27.(そして司祭は、彼女の愛らしい眉に口づけ、甘く香り立つ汗の香水の中、彼女の光の露を全身に浴び濡れて、空間の女王に答えた。)「ああヌイト、天の絶えなきものよ。人々があなたをあるものではなく、ないものとして語り、ついには口にさえしなくなりますように。あなたがあるかぎり、永遠に。」

28.かすかでうっとりするような、星のひかりをささやく、ないもの、だけどふたり。

29.わたしは愛のため、いつかひとつになるために、別けられているから。

30.これは世界のはじまり、別けられていることのいたみはなんでもないわ、とけていくよろこびがすべて。

31.とんちんかんな人たちとその苦しみは、気にする必要はありません。彼らは少ししか感じない。少しの苦しみは、少しの喜びでおあいこ。だけどあなたは選ばれた人。

32.わたしの預言者についていきなさい。わたしを知るという試験をやりぬくの。わたしだけを探し求めなさい。そうすれば、わたしの愛のよろこびがあなたをあらゆる痛みから救うでしょう。本当にそうなのです。わたしの全身、わたしの聖なる心臓と舌、わたしが与えることのできるすべて、わたしがあなたに望むものすべてをかけて、そう誓います。

33.(すると司祭はぼう、となって、天の女王に言った。)
「わたしたちのために、試験を書き記してください。儀式を書き記してください。法を書き記してください!」

34.(しかし彼女はこう答えた。)
試験は書き記しません。儀式は半分だけ教えて、半分は隠しておきましょう。法はみんなのもの。

35.あなたが書き記すこのおはなしが、法の3つの書。

36.わたしの書記官、アンク・アフ・ナ・コンス、王子たちの司祭よ、この書の一文字たりとも変えてはいけません。だけどまちがいのないように、ラ・ホオル・クイトの知恵によって説明するのはかまいません。

37.また、真言と呪文、魔法とおまじない、杖の術と剣の術を、学び、教えなさい。

38.教えなくてはなりません。だけど、試験は厳しくしてもいいでしょう。

39.法のことばは「セレマ THELEMA」です。

40.わたしたちをセレマイトと呼ぶならば、それは間違ってはいないでしょう。ことばをしっかり調べるならば。そこには隠者、恋人たち、地の人間という3段階があるのだから。あなたの意志を為しなさい。それが法の全てです。

41.罪のことばは「しばり」です。人よ、妻が望むなら、拒まないで。恋人よ、あなたが望むなら、往きなさい。別けられたものをひとつにするものは、ただ愛だけ。そのほか全てはのろいなのです。のろわれしものはずっとのろわれてればいいわ、地獄みたいにね。

42.しばられ、嫌みばかりをいう人たちは、ばらばらなままにしておきなさい。あなたのすべても。あなたは、あなたの意志を為すこと以外になにも権利を持ちません。

43.そうすれば、だれもあなたをしばりません。

44.目的を忘れず、結果にこだわらないきれいなこころは、いつでも完璧なのだから。

45.完璧と完璧を足しても、ひとつの完璧になるだけ。いいえ、無になるのかも!

46.無はこの法の秘密の鍵。ユダヤ人はそれを61と呼びます。わたしはそれを8、80、418と呼びます。

47.だけど彼らとははんぶんこ。だから、あなたがひとつにして。すべてが消えて無になるように。

48.わたしの預言者は、1、1、1のとんちんかん。それって雄牛じゃないかしら?ここでは無ってことかしら?

49.儀式も試験もことばもしるしも、みんな今では役立たず。ラ・ホオル・クイトは神々の春秋分点で東の座に就きました。それぞれひとりのアサルとイサは一緒にしておきましょう。だけどそれはわたしには関係ないこと。アサルを崇めて、イサはくるしむ。秘密の名前と輝きまとう、ホオルこそが伝授の主。

50.司祭の仕事について言っておきます。みて、1つのなかに3つの試験があり、3つの方法で与えられるかも知れません。ぼんやりさんは火をくぐり、しっかりさんはもっと賢く、選ばれた高貴な人々はもっとも高く。そうしてあなたは星と星、団と団を得るでしょう。お互い知らないものどうしのままで。

51.ひとつのお宮に4つの門。お宮の床は金と銀。ラピスラズリとジャスパー、不思議な香りのお香、ジャスミンとバラ、死の紋章。彼に4つの門を順番に、それとも一度にくぐらせて、お宮の床に立たせましょう。沈んでしまわないかって? ああん、ほら!戦士よ、あなたのしもべが沈んでしまったらどうする? 実はどうとでもできるの。だから気高くしていなさい。きれいな服で着飾って、おいしい食事と甘く泡立つワインを楽しむの。思う存分、愛を満たして、満たされて。いつでも、どこでも、誰とでも、あなたの思うがままに、だけどいつでもわたしのために。

52.もしも正しく為されなければ、もしも記号を混ぜっかえして「それは1つだ」とか「それはたくさんだ」とか言うならば、もしも儀式がわたしに捧げられなければ、、、ラ・ホオル・クイトの怖いおしおきを、覚悟するべきね。

53.こうして世界は生まれ変わるの。わたしの妹、小さな世界、わたしの心臓とわたしの舌を、わたしがキッスを授けるものへ。そしてね、書記官で預言者であるあなた、あなたが王子さまたちに仕えていても、あなたは慰められも許されもしないわ。だけど、ひかりはあなたのもの、そして地上のよろこび。いつでも、わたしに。わたしのために。

54.一文字のかたちさえも、変えてはだめ。預言者よ、あなたはそこに隠された不思議の全てをみることはできないのだから。

55.あなたの中から生まれるこども、彼こそが不思議の全てをみるでしょう。

56.彼は東から、それとも西からやってくる?そんなことを期待してはだめ。彼は誰も予想しなかったお宮からやってきます。アウム!どんなことばも大切で、どんな預言者も本当です。彼らはほんの少ししか理解していないとしてもね。方程式の前半分は解いて、残り半分は放っておきなさい。それでもあなたは全てを明るいひかりのなかに保ち、全部ではなくとも一部を闇のなかに保ちます。

57.星々の下で、わたしを喚んで。愛こそ法なり、意志の下の愛こそが。とんちんかんが、愛を間違えないように。愛といってもいろいろあるからね。鳩もいれば、蛇もいます。しっかり選んで! 彼、わたしの預言者は、砦の法を知ることと、神のお宮の偉大な不思議を選んだわ。

わたしの書のこれら古き文字は全て本当です。だけどツァダイは星ではありません。これもまた秘密なのです。わたしの預言者がそれを賢い人たちに知らせるでしょう。

58.わたしは想像もつかないほどのよろこびを地上にもたらすわ。「信じる」ではなく「確信」を、生きてる間中、死の瞬間まで。言葉にできない安らぎ、休息、ひかりを。生け贄なんて、いりません。

59.わたしのお香は樹脂豊かな木とゴム。血なんて含まれていないわ。わたしの髪は永遠の木だもの。

60.わたしの数字は11。わたしたちみんなの数字。真ん中に円を持つ、5つの点を結んだ星、その円は赤。わたしの色はみえない人にとっては黒、みえる人には青と金にみえるわ。わたしを愛してくれる人々には、秘密のひかりを授けもしましょう。

61.だけど、一番大切なことは、わたしを愛すること。砂漠の星空の下、わたしに向かってお香を炊いて、きれいなこころでわたしを喚び、その中で蛇の炎が燃え上がるなら、わたしの胸でほんの少しだけ、あなたを休ませてあげましょう。たった一度のキッスのために、全てを差し出したくなるでしょうね。だけど、ほんの一粒のちりをも差し出した瞬間、あなたは全てを失うでしょう。たくさんのいいものと美しい女たち、スパイスを集めなさい。きれいな宝石を着飾りなさい。地上のどんな国よりも輝かしく、誇らしく。だけど、いつでもわたしへの愛のために。そうしてくれると、わたしはうれしい。あなたに厳かに命じます。薄いローブと見事な王冠を身につけて、わたしの前に来て。わたしはあなたを愛しています!あなたが恋しい!青色でも紫色でも、ヴェールに隠されていても艶やかであっても、あらゆる紫色のよろこび、どうしようもないほどに目を回しているわたしは、あなたが欲しい。翼をつけて、あなたの中のひかりのとぐろを解き放って。来て!

62.あなたと会っている時はいつでも、わたしの秘密のお宮で、はだかで、よろこびにふるえ、燃えるような瞳の女司祭に、みんなのこころの炎を喚び起こす、愛のうたを歌わせましょう。「わたしに!わたしのもとに!」

63.せつなくてたまらない愛のうたをわたしに!燃え上がる香をわたしに! 宝石で着飾ってわたしのもとに!乾杯をわたしに!わたしはあなたを愛している!愛しているの!

64.わたしは青いまぶたの黄昏の娘。艶やかに輝くはだかの夜空。

65.わたしに!わたしのもとに!

66.(そうしてヌイトは去っていった。)









posted by bangi at 22:15| Comment(7) | 詩と芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月06日

10月28日 3.11 Nuclear Crash以降の生き方を探る

311NuclearCrash
(フライヤーPDFはこちら

先日予告した岡山ペパーランドでのトークイベント詳細が判ったので改めてお知らせ。

「3.11 Nuclear Crash以降の生き方を探る」@岡山ペパーランド
311という現実が教えた私達の内部の「破壊のカマド」とは何なのか?その「破壊のカマド」に気付いた時、私達はこの現実にどのように立ち向かっていくのか - 音楽、芸術、あらゆる文化の問題を問う

TALK:
能勢伊勢雄岡山ペパーランド主宰)
■伊吹圭弘:敦賀遊会主宰・化学技術者

『遊会』とは… http://www.pepperland.net/yuukai.html
松岡正剛氏が出版社・工作舎で編集していた雑誌『遊』の企画として各地で開かれていた『遊会』。また、ライブハウス「ペパーランド」オーナーの能勢伊勢雄が続 けている『岡山遊会』。そして、2007年からは『四国遊会』が香川県高松市で始動。それらの精神を引継いだ『敦賀遊会』。誰でも参加でき、何ものにもとらわれず、そして、様々なジャンルを横超することに始まり、似ている事の気楽さや自由さを求めて、自由に参加できるのが魅力。本当の自由を求め、常に変化し続ける世界を見る目を持ち、生きることの表現を持って、遊星的郷愁を求める一員でいようではありませんか。


■蝦名宇摩(津軽三味線)
「アイ・アム・ヒッピー」などの著作で知られる伝説のヒッピー・ポン氏を父君に持つ津軽三味線女性師範。311を機に岡山に移住。当日は勿論演奏も!

■木内賢(クリエイティブディレクター)
広域瀬戸内海文明デザイン&コミュニケーション主宰。言語とリアリティ、魔術的想像力をキータームとして瀬戸内海に投影される「散都」と新文明圏のビジョンを模索。http://23youbi.seesaa.net/article/223542887.html

LIVE:
Imagenos
The nothingface from Colombia
蝦名宇摩
Tung -Tah
壊れたホテル
Rrose selavy / Celine +岩本象一

Food:
cafe Moni

2011年10月28日(金)
岡山ペパーランド
Open 18:30 / Start 19:00

19:00 - 22:10 LIVE
22:20 - 23:50 TALK
24:00 - 00:30 LIVE
朝までフリーカンファレンス

Info:
岡山ペパーランド
岡山市北区学南長2-7-4
TEL: 086-253-9758
http://www.pepperland.net

posted by bangi at 13:05| Comment(1) | 詩と芸術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年09月09日

高野山1000年まつり


Burning Man帰りの真言宗僧侶が中心となり高野山にて「今から1000年続くまつり」としてオーガナイズするDIYフェス。

高野山1000年まつり 2011年9月17日(土)18日(日)
http://blog.livedoor.jp/jishoshizuka-koyasanmusicfestival/

フライヤー:裏面(交通アクセスや様々な参考情報がまとまっています。要チェック:0913リンク切れ修正)
PDFダウンロード


マジカルパワーマコ×護摩法要、木村充揮&内田勘太郎(Ex.憂歌団)他。
18日お堂でのトークは

マジカルパワーマコ氏 http://magicalpowermako.jimdo.com/
作家黒田晶氏 http://bit.ly/mX8WKD
静和尚 http://bodhi-tree.sakura.ne.jp/about.shtml
オーガナイザーはっちゃけ氏 http://indigo-staff.blogspot.com/
とともに不肖Bangi Vanz Abdulも参加。

街まで買い出しに徒歩30分でいける便利さで、最低限のキャンプ装備で気軽に参加できる分、パフォーマンスやワークショップなど自由なクリエイティビティを持ち寄って「No Spectator」の精神で皆でつくるパーティ。Let's目撃&合掌。

以下最新タームテーブル。

【高野山1000年まつり タイムテーブル案110909版】

9月17日(土)
開始前    読経
13:00-14:00 Kanadian (DJ)
  http://iflyer.tv/kanadian/
14:00-16:00 Dr.Tommy (DJ)
  http://iflyer.tv/funkateer/
16:00-16:30 声明
16:30-17:30 田中峰彦(シタール) & 田中りこ(タブラ)
  http://homepage1.nifty.com/mineral-t/
17:30-18:30 木村充揮&内田勘太郎 (ex-憂歌団)
  http://www.dandylion.info/
  http://www.uchidakantaro.com/kyokutorakuon/Welcome.html
18:30-19:30 Cow'P & supaluga (LIVE)
  http://www.myspace.com/cow-p
  http://supaluga.blogspot.com/
19:30-21:00 YUMMY (DJ)
  http://djyummy.net/
21:00-21-30 読経
21:30以降  各自キャンプ/宿坊泊&小さな音で有志のDJ
       高野町天体観測所にて「高野山天文同好会」様の天体観測会
      http://homepage3.nifty.com/stellarbell/sub6.html

9月18日(日)
開始前     読経
13:00-14:00 Mats (DJ)
       (from 神戸市兵庫区出在家町 宴坐enza)
14:00-15:00 Ghetto Soul Unity Band (即興音楽集団)
  http://www.youtube.com/watch?v=WvlCYk9JFP8
15:00-16:00 豊田晃カルテット (フリージャズ)
16:00-18:45 【COLOR MUSIC ACTS】
  KEEP EARS OPEN(LIVE 2Vo, 2keys,bass)
  http://www.color-music.net/artist/jkl/keep-ears-open/
  CHIHIRO BUTTERFLY (LIVE LAP TOP.+VOICE)
  http://www.color-music.net/artist/abc/chihiro-butterfly/
  カウヒ(DJ)
  http://www.color-music.net/artist/jkl/kauhi/
  nataraja(DJ)
  http://www.color-music.net/artist/mno/nataraja/
18:45-19:45 松葉勇輝(chillreru)
19;45-20:45 護摩&マジカルパワーマコさんセッション
  http://magicalpowermako.jimdo.com/
ライブペイント by 心蓮(中村智則)
20:45-21:30 トークショー
  (マジカルパワーマコ/黒田晶/Bangi Vanz Abdul/静和尚/はっちゃけ)
21:30以降   各自キャンプ/宿坊泊&小さな音で有志のDJ

http://blog.livedoor.jp/jishoshizuka-koyasanmusicfestival/
posted by bangi at 19:14| Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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